“昭和上司”にならないために、彼らから学ぶべき3つのこと若手社員のうちに学びたい、「上司力」入門(3/3 ページ)

» 2012年12月13日 08時00分 公開
[吉田実,Business Media 誠]
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「昭和上司」のコミュニケーション

 これからの時代の上司は、対話力を身につけていることが重要だ。「対話」とは、すぐに白黒をつけたり、結論付けたりすることなく、相手の考えの背景や感情を相互に理解しあうコミュニケーションである。対話ができなければ、時代に乗り遅れた古い「昭和上司」として、メンバーの信頼が得られない上司になる。最後に「昭和上司」の典型的なコミュニケーションを紹介しておく。

全てに「良い」「悪い」の判断を加える

 部下が話をしてきたときに、全てにおいて「それは良い。それは悪い」と判断をする人がいる。人の話を聞いた瞬間に、改善点を見つけて指摘をしてしまう。これでは人は心を開かない。人がアイデアを話してくれた時、すぐに判断をせずに、最後までしっかりアイデアを聞くことが必要だ。そして「ありがとう。考えるヒントになったよ」「よく考えたじゃないか」と受け止める反応を示すことが大切だ。もちろん、判断が求められる時もあるが、全てに判断する上司には誰も本音を言わなくなるだろう。

自分が優秀であることをアピールする

 部下からの尊敬を勝ち得たいと考える上司は、部下とのコミュニケーションにおいても、自分が優秀であることをアピールしようとする。人が情報を持ってきたときも「それは知っているよ」と反応をする。このような上司のもとでは、部下は上司の言葉や表情から侮辱されているように感じる。部下に対して謙虚になることが大切である。故・松下幸之助は自分が知っている話であっても「ほう、そうか。報告してくれてありがとう」と心からの感謝を伝えたことで有名である。

人の話を最後まで聞かない

 人が話している最中に、人の話を遮って話始める人がいる。話の展開が分かってしまうからである。自分の意見が言いたくて仕方がない。また部下の報告を受けるときに、PCに向かいながら、報告を受ける人がいる。これでは対話は成り立たない。対話の基本は、まずは人の話を最後まで聞くことから始まる。会議においても上司ばかりが話している会議を仕切っている上司は要注意だ。最後まで人の話を聞く。人の話を尊重することから始めなければならない。

 時代遅れの「昭和時代」の上司にならないためにも、ぜひ「巻き込み対話力」を磨いていただきたい。

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