覚えていますか? 上司や先輩から励まされた言葉田中淳子のあっぱれ上司!(2/3 ページ)

» 2012年12月20日 10時20分 公開
[田中淳子,Business Media 誠]

上司や先輩からのよい言葉

 次に、よい言葉についても見てみよう。上司や先輩の中には、非常にうまい表現の使い手も多々いる。

 ある若手の新入社員時代の体験だ。顧客に出す資料の作成を先輩に指示された。自分なりの工夫も取り入れて完成させ、先輩にはメールで知らせた。出張先の先輩からはしばらくして返信があった。そこには、こう書かれていた。

 「こんなに立派なものを作ってくれるなんて、期待以上です。感激のあまり、涙で前が見えません」

 顔文字も添えられたメールを受け取った若手はしみじみとうれしい気持ちになり、そのメールを保存して何度も何度も繰り返し読んだという。こういうメールは「心の支えメール」として、辛い時、苦しい時の支えになるものである。

 別の新入社員は、職場での宴会があった夜、途中まで憧れの先輩と電車に揺られて帰った。車内で先輩と、プライベートな携帯メールのアドレスも交換することになった。彼女が自宅に着くころ、先に電車を降りた先輩からメールが入っていた。

 「私が守ってあげる。困ったことがあれば、いつでもこのメールアドレスにメールしてくれていいからね」

 ちょっとお酒の入った頭で真夜中のこんなメールを見たら、ウルウルしてしまうのではないだろうか。とてもうれしいと感じるとともに、守られている安心感を得たと話していた(これは女性同士の例である。念のため)。

 ある男性の思い出。新人の時に参加したプロジェクトの打ち上げの際、一番世話を焼いてくれた少し歳の離れた先輩と隣り合わせになり、あれこれと仕事のことを語り合った。最後にひとこと「これで互いにバラバラになってしまうけれど、君とまた一緒に仕事したいなあ」

 新入社員なのだから、多方面で大活躍したというわけにはいかなかっただろう。言われたことをするのに精一杯だったに違いない。それでも、その「精一杯さ」が先輩にはとてもよい姿勢に映り、「次回もまた一緒に仕事したいなあ」と言わしめたのと思う。だから、こう言ってもらえる新入社員の男性もがんばったに違いないのだが、それを言葉にして伝えてあげる先輩はやはり人の気持ちをよく理解して、やる気を向上する術を心得ているように思う。

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