次に、スマートフォンやタブレットなど、録画した番組を見たいクライアントに専用アプリをインストールする。
PCのWebブラウザから見る場合は無料だが(プラグインのインストールが必要)、スマートフォン、タブレットはそれぞれAndroid版とiOS版のアプリがあり、いずれも有料だ(1099〜1030円)。Android用アプリで確認してみたところ、スマートフォン用アプリをタブレットにインストールすることはできるが、逆にタブレット用アプリをスマートフォンへインストールすることはできないようだ。
タブレット用アプリでは、大画面で操作しやすいグラフィカルなUIになっている。普段使っているAV機器のリモコンがそのままイメージ画像になって表示されるので、直感的に操作しやすい。一方、スマートフォン用のアプリは小さな画面に合わせてボタン表示が簡略化されているので、最初はちょっと戸惑った。
フルハイビジョンの映像を配信できるといっても、通信回線が細いのに高画質の映像を見ようとすれば、コマ落ちなどが発生してマトモに見られないのでは? と思う人もいるだろう。
スリングボックスの場合、回線速度に応じて画質を調整できるようになっている。室内のLANを使って視聴する場合は高画質で見られるし、外出時は3GやLTEに合わせた画質で見ることができる。3G、LTEのスマートフォンでそれぞれ試してみたところ、ワンセグのようにややきつめに圧縮した画面ではあるが、問題なく視聴できた。とくにLTEのスマートフォンではコマ落ちもほとんど発生せず、快適に視聴できる。
このように、外出先からでも自宅で録画したコンテンツを楽しめるのだが、実はスリングボックスを使ってみて感心したのは、外出時よりもむしろ、室内で高画質で見るケースだった。自分がテレビの前にいなくても、台所や寝室など好きな場所へタブレットやノートPCを持っていって見ることができるというのは、想像以上に快適だ。防水タイプのタブレットであれば、高画質な“お風呂テレビデオ”を簡単に実現できる。最初は「外からテレビを見るため」とスマートフォン版アプリのみ購入したのだが、室内でタブレットを使う快適さが気に入り、結局タブレット版のアプリも購入してしまった。
スリングボックス自体は2年ほど前からある製品だが、LTE回線やタブレット端末の普及により、今のほうが快適に使える環境が整ってきている。年末年始は普段よりテレビを見る時間が長くなりがち。見たい番組はたくさんあるが、テレビの前にいられる時間はそうそうない……という人は、試してみる価値がある製品ではないだろうか。
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