想像することが苦手な人に、年間ビジョンの作り方ボクの不安が「働く力」に変わるとき(2/5 ページ)

» 2013年01月01日 00時00分 公開
[竹内義晴,Business Media 誠]

願望を正確に計画できる?

 計画といえば、現在から未来を想像し、なんとなく「こうなったらいいなあ」と考えます。そして未来と現在のギャップから「何をどのように行動するか?」を考え、具体的な行動計画を立てる方法が一般的です。

 しかし、もし1年後の願望が今まで経験も知識もないことだったら、そのプロセスは正確には分からないのではないでしょうか。

 私が1年前に立てた計画は、2012年1月時点での具体的な行動計画ではありませんでした。頭の中で2012年12月31日までに「すでにそうなっている」シーンをイメージして作った「未来予想図」でした。イメージの中では環境、スキル、身体能力などの制限がなく自由です。しかも願望が現実になる前に、その時に感じているであろうことを疑似体験することもできます。

 そしてこの1年は細かな行動計画を立て、行動することよりもゴールイメージに向かって「今、無理なく自分にできそうなことを積み重ねる」ことを大切にしてきました。

 すべてがイメージ通りになったわけではありません。しかし1年前は何の予定もしていなかったパネルディスカッションが実現し、出版の計画も現在進行中です。少なくとも「あれもできなかった」「これもできなかった」という「できなかったことの検証」で気分が落ち込む感じではなく、1年前に「未来予想図」を楽しく考えたことを思い出し、「いいところには来ているかな」といった感覚があります。

イメージできない人

 昨年の暮れに仲間とお酒を飲みながら、新しい年のイメージについて話していたときのこと。ある人はこう言いました。「よく『イメージが大事だ』と言いますけど、実は私、『イメージ』というのがどういうことなのかよく分からないんです」と。あなたはどうでしょうか。「イメージ」に限らず、「ビジョン」という言葉もよく聞きますが、これらの言葉にピンとこない人もいるでしょう。

 実は私も、イメージが苦手な1人です。「1年後をイメージしてごらん」と直接的に言われても、具体的なイメージが湧かないのです。

 ここで、私がやっている方法をご紹介しましょう。私は“イメージをする”のではなく、既にそうなっている楽しさを“感じる”ようにしています。

 人には「得意な五感」があるのをご存じでしょうか? 例えば新しい家電製品の使い方を学習する際に、他人が使っているやり方や使い方の映像を「見て」理解するのが好きな人もいれば、マニュアルを「読んで」(マニュアルを読む際は無意識に音読し、聴覚的な情報にしています)理解するのが好きな人もいます。また、とりあえず「やってみて」理解する人もいます。つまり、物事を視覚的な情報として理解するのが得意な人、聴覚的な情報として理解するのが得意な人、身体感覚的な情報として理解するのが得意な人がいるのです。

 私の場合は、とりあえず使って覚えるタイプで、物事を感覚でとらえるのが得意です。「イメージ」や「ビジョン」は視覚的な情報なので、「イメージ」と言われてもすぐに絵が思い浮かぶわけではなく、今1つピンと来ないのです。

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