ルーズリーフは今こうなっている! マルマンの「スウィートライン」と「ファイルノートシステム」を勉強してきたファイルノートシステムの現在を知る(2/2 ページ)

» 2013年01月08日 19時00分 公開
[舘神龍彦,Business Media 誠]
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「ファイルノートシステム」の名称を知るユーザーはわずか1割

 見どころの2つ目、「ファイルノートシステム・30分セミナー」には和田氏に加え、“文具姫”こと女優でモデルの伊澤恵美子氏、そしてマルマンでマーケティングを担当する佐野俊仁氏の3人が登壇。ルーズリーフを中心とする同社の製品についてレクチャーした。

和田氏に、女優でモデルの伊澤恵美子氏、マルマンマーケティンググループ佐野俊仁氏が加わってファイルノートシステムのレクチャーをしているところ

 ファイルノートシステムとは、ルーズリーフやインデックス、バインダーなどの各種アクセサリーを総称したシステムの名称のこと。商標登録もしている。

 佐野氏によれば、その名称を知っている人は1割程度だという。さらにユーザー層は25歳を境に利用者が減り、55歳以上になると微増する。「今、50代の人がちょうど中学生ぐらいのときには、クラス全員が使っていた」(和田氏)そうで、世代的な流行にも左右されるようだ。

ネットで収集したレシピをルーズリーフに印刷して使う

 そしてファイルノートシステムの活用法を各氏が披露した。まず伊澤氏は「ネット上のレシピをルーズリーフに印刷して使う。うまく作れたときの記録も付けていて、とても便利」だと語った。

 マルマンのラインアップには、「ルーズリーフワイド」の名称で横長タイプの製品もあり、伊澤氏が印刷用に利用しているのはそのタイプだ。

 和田氏は、A4サイズのファイルノートシステムを使用している。セミナーの前にはトークの内容や構成をメモし、さらにポケットを活用して資料の雑誌をそのまま収納したりしているという。

 ファイルノートシステムの注目すべき点は、この自在な編集機能だろう。インデックスを使って複数項目の記録を保持したり、まとめて書いて後で分類、整理したりできるのは、普通のノートにはないメリットだ。

万能ノートをどう活用するか

展示会当日に発表された新製品「ファイルノートミニ」。横長のプロポーションで、ファイルノートシステムの全サイズに対応する

 ファイルノートシステムが持つこうした自在さは半面、「どう使えばいいか分からない」悩みになったりする。ユーザーにとってもメーカーやお店にとっても、活用提案の事例が出てくることが、商品のさらなる進化を促すことになるからだ。

 「日本のファイルノートを全体で見ているのは、ルーズリーフも、バインダーも各種パーツも作っているマルマン。いわばリーディングカンパニー」(和田氏)との言葉の通り、同社はこのシステムのラインアップを拡充することで新しい活用提案を見せようとしている。

ファイルノートシステムの製品一覧。バインダー(プラスチックorメタル)、ルーズリーフ(方眼、横罫、無地など)、アクセサリー(インデックス、ポケット類など)の順に選んでシステムを組み立てられる

 製品自体もスウィートラインのような学生用のみならず、高級革製バインダーや、補助的に使える小型リーフを用意するなど、ユーザーや利用シーンを選ばない製品を用意している。ユーザーの使い方次第でどのようにも活用もできるラインアップがあるのだ。

 筆者もルーズリーフの新しい使い方を考えてみたくなった。

著者紹介:舘神龍彦(たてがみ・たつひこ)

 手帳評論家・デジアナリスト。最新刊『使える!手帳術』(日本経済新聞出版社)が好評発売中。『手帳カスタマイズ術』(ダイヤモンド社)は台湾での翻訳出版が決定している。その他の主な著書に『手帳進化論』(PHP研究所)『くらべて選ぶ手帳の図鑑』(えい出版社)『システム手帳新入門!』(岩波書店)『システム手帳の極意』(技術評論社)『パソコンでムダに忙しくならない50の方法』(岩波書店)などがある。誠Biz.IDの連載記事「手帳201x」「文具書評」の一部を再編集した電子書籍「文具を読む・文具本を読む 老舗ブランド編」を発売


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