ソフト別、PDFのページの向きを90度回転させる方法ビジネスの悩みを解決するPDFドリル

PDFの回転には「表示のみ回転」と「編集機能を用いた回転」の2通りがあり、正しい向きに回転した状態で保存するには、編集機能を備えたソフトやサービスが必要になる。それぞれのソフトやサービスの特性をまとめてみた。

» 2013年01月29日 10時00分 公開
[kizukiBusiness Media 誠]
表示の回転は、Adobe Reader XIおよびAdobe Acrobat XIであれば、「表示」→「表示を回転」→「右90度回転」でできる
編集機能で回転する場合は、Adobe Acrobat XIであれば、「表示」→「ツール」→「ページ」を選択し、画面右にパネルウィンドウを表示できる
パネルウィンドウで「回転」を選び、表示されるメニューの中から方向や対象ページを選択して回転を実行する

 A4横の原稿をスキャナで取り込んでPDFに変換する際、向きの自動補正機能をONにしておかないと、90度回転した縦向きの状態のまま保存してしまう。また、向きの自動補正機能がうまく働かず、特定のページだけがあらぬ向きになることもある。こうした場合は、手動でPDFのページの向きを回転させてやることになる。

 PDFを回転するに当たってまず理解しておきたいのは、PDFの回転には「表示のみ回転」と「編集機能を用いた回転」の2通りがある、ということだ。前者はAdobe ReaderをはじめとするほとんどのPDF閲覧ソフトが対応しているが、画面上で表示を回転させるだけなので、ファイルを開き直すと元の状態に戻ってしまう。

 これに対して、次に開き直した際もページの向きを維持するためには、Adobe AcrobatなどのPDF編集ソフトの編集機能を使って回転する必要がある。編集後に上書き保存すれば向きの情報も合わせて保存するので、あとで別のPCで開いた場合も正しい向きで表示するというわけだ。ページ単位での回転などにも対応しており、例えばAdobe Acrobatであれば、偶数/奇数ページだけ、横長/縦長ページだけを回転もできる。

 このほか、スキャナ側のユーティリティが回転機能を備えていることもあるので、スキャナで読み取ったPDFについてはそちらを用いるとよい(スキャナ以外で生成したPDFは利用できないことがある)。また同様の機能を備えたフリーソフトやWebサービスも多数あるが、プレビューが表示されないために全ページ一括でしか回転できないなど、機能面では劣ることもある。

 編集機能で回転させるにあたって、それぞれのソフトやサービスの特性をまとめると以下のようになる。自分の用途ではどのソフトやサービスが向いているのか知っておくと、いざというときに便利に使えるだろう。

  • 特定ページのみ回転にも対応:Adobe Acrobat、PDF-XChange Viewerなど
  • 全ページまとめて回転(要インストール):PDF RotatePageなど
  • 全ページまとめて回転(インストール不要、容量制限あり):RotatePDF.netなど
  • スキャンしたPDFの回転:「ScanSnap Organizer ビューア」などスキャナ付属のユーティリティ
PDF RotatePage」は、指定したPDFファイルの向きを一括で変更できる。プレビューが表示できないので、全ページが決まった向きに回転しているPDF専用になる。また最新の形式には対応していない
PDF-XChange Viewer」は、表示の回転のほか、編集機能での回転にも対応している。前者は「表示」→「表示の回転」→「時計回り」、後者については「ドキュメント」→「ページの回転」を選択し、表示されるメニューの中から方向や対象ページを選択して回転を実行する
スキャナに付属しているユーティリティソフトには、読み取り後のPDFファイルの向きを修正できる機能を備える場合が多いのでそれを用いるとよい。これはPFUのScanSnapに付属する「ScanSnap Organizer ビューア」
Webサービスの「RotatePDF.net」であればインストール不要でPDFを回転できる。ただし全ページ一括で、容量は10Mバイトまでの制限がある

連載「ビジネスの悩みを解決するPDFドリル」とは

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