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» 2013年01月28日 14時00分 UPDATE

田中淳子のあっぱれ上司!:新人にとって「戸惑うこと」と「うれしいこと」 (1/3)

4月に入社した新入社員が10カ月を迎えるこの時期「これまでに“戸惑ったこと”と“うれしかったこと”は何か」をインタビューしたことがある。今回はその回答を基に、新卒新入社員が感じていることを紹介しつつ育成のポイントを解説したい。

[田中淳子,Business Media 誠]

編集部からお知らせ

 ITmedia エグゼクティブでの人気連載「田中淳子のあっぱれ上司!」が誠 Biz.IDにて再開します。悩める上司と部下の付き合い方を、企業の人材育成に携わって27年(!)の田中淳子さんが優しくにこやかに指南するこの連載、部下とのコミュニケーションに悩んでいる上司はもちろん、そうでない上司も必見です!


 2012年度に入社した新入社員も、社会人歴早や10カ月である。そろそろ2年目になる覚悟を上司や先輩は促す時期に近づいているだろう。私が新人のころ、よく先輩に言われたのは、「何でも質問できるのも、どんなことでも丁寧に教えてもらえるのも新人時代だけだからね」であった。

 もちろん、2年目になったからといって急にバリバリ自力で仕事が進められるわけではない。だが、確かに先輩のサポートは2年目に入った途端、激減したように記憶している。次の新人が入社してくれば先輩たちもそちらに目が向くし、私自身も1年目社員のOJT担当になったので、いつまでも「何も分からない新人」の立ち位置でいるわけにはいかなくなったからだ。

 というわけで、今回は、新卒新入社員が感じていることを紹介しつつ育成のポイントを解説したい。

 新入社員にこの時期、「新社会人として10カ月ほど経過し、これまでに“戸惑ったこと”と“うれしかったこと”は何か」をインタビューしたことがある。何年も似たようなことをしてみたが、世代にかかわらず、同じような回答が寄せられることから新人が感じやすいことは共通なのだと思う。

 まずは“戸惑ったこと”を紹介する。

多忙すぎる上司の下についた

  • 話しかけてもらえない
  • これ(マニュアル)を読んでおいて、と言われ、数日間放置された

 新人がよく言うのがコレだ。上司も先輩も超多忙なため、つい新人の存在を忘れてしまう。育成計画もきちんと立てていないと、その場しのぎで「このマニュアル読んでおいて」と渡し、その意図も伝えない。

 また、読んだかどうかのチェックもしない、といった事態に陥ることもある。もう1カ月にもなれば、こういう状態にならないよう、新人自体も「何かすることはありますか?」と自分から尋ね、動くだろうが、配属直後だとそうもいかない。だから、配属からしばらくの間は、誰が何をどう構うのか、きちんと計画を立てる必要があるのだ。次年度の新入社員育成にはぜひこのあたりを意識して準備しておきたい。

何を質問したらいいか分からない

  • 電話をとっても誰が何をしているかわからず、慌ててしまう
  • 分からないことだらけで、いつでも質問していいよと言われても、何を質問したらいいかも分からない
  • 先輩たちが仕事で交わす会話に出てくる言葉が分からない

 新人にありがちな切ない悩みだ。これも時間が経てば解決する類のものではあるが、最初のうちは、こういう「分からないことだらけ」がもたらす不安に心が折れそうになることも多々ある。

 私はダメダメ新人だったので、先輩もことのほか気に掛けてくれたが、「分からないことがあったら何でも聞いてね」と言われたものの、「何が分からないかが分かりません」という状態が長く続いた。質問できることは、ある程度分かっていることなのだと悟ったのも新人時代のことである。

 回答に挙げられた不安を述べる後輩には、こんな風にアドバイスするとよいのかもしれない。

 「とにかく、ノートだけちゃんと取っておくといいよ。今は分からず書いていても、あるとき、ふと自分が書いたノートの意味が何もかもすーっと理解できる日がくるから」

 「あきらめずにまじめにやっていると、徐々に何をしているか分かってくるから、気長にいきましょう」

 地道な努力が解決への近道なのだと示すことが、上司や先輩にできることだろう。

休むことに恐怖を感じる

  • 休日にも仕事のことを考えてしまう
  • 夢に仕事が出てくる

 これも十分すぎるほど分かる。新人の時、上司や先輩に勧められて夏休みを取った。たった3日間、土日を付けても5日間である。それでも、会社から電話がかかってくるのではないか、休んでいていいのか、などと考え、非常にドキドキした覚えがある。

 今思えば、新人の1人や2人オフィスにいなくたって誰も何も困らないのだが、休むのが怖かった。平日もよく仕事の夢を見た。要するに、自信がないからそういう状態になるのだ。だから経験を重ね、自分に自信がついてくれば、徐々に克服できるテーマではないかと思う。

 「休日に仕事のことを考える」としても、ドキドキして思い出すというよりは、「あれはどんな風に解決したらいいかな」と楽しく考えるという状態に変化していくのではないだろうか。上司や先輩がそういう夢の話などを聞いて、「私もそうだったなあ」と共感を示せば、「先輩も同じような経験をしてきたのか」を安心させられるに違いない。

 では、“うれしかったこと”はどうだろう?

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