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» 2013年03月19日 10時00分 UPDATE

トップ1%の人だけが実践している思考の法則:日常の「不」を解消せよ!? (1/2)

人はポジティブなものを提供されるよりも、ネガティブなものを解消してくれるもののほうに対価を支払いやすい特性があります。あなたがビジネスプロデューサーなら、「不」をもっと意識して生活し、そこからビジネスチャンスを見つけるべきです。

[永田豊志,Business Media 誠]

 成功する一握りの人々だけが実践する、共通の「思考の法則」を知るには、いったん私たちが常識だと考えてきたルールをリセットする必要があります。そして、彼らの行動や考え方に注目し、そのエッセンスを吸収して、その根底にある思考のサイクルを身に付けることが重要です。

 成功者はみな、次にあげる5つのビジネスプロセスを何度も、高速回転で循環させています。私は、キーワードとなった5つの英単語の頭文字をとって「5Aサイクル」と呼んでいます。

  1. 顧客の抱える問題の「認知」(Awareness)
  2. 問題解決のための従来と異なる「アプローチ」(Approach)
  3. アイデアのスピーディな「実行」(Action)
  4. 仮説と実行結果の差異に対する「分析」(Analysis)
  5. マーケットニーズに合わせた柔軟な「適応」(Adjustment)

 さて、ここで問題です。

【問題】解答例にならって自分なりに考えてみましょう。

  • 郵便受けを開けたあなたは、近くのビデオレンタル会社からの催促状を目にした。そこには「6カ月の延滞金として30万円」の請求額が……! 確かに明細には、半年ぐらい前に借りた記憶のある海外ドラマシリーズのタイトルが並んでいる。だが、てっきり返却したものだと思っていたのだ。あなたが、この経験から発想できることは何か?
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解答例A

  • どうやったら払わなくて済むかを調べなくては。利用規約を調べ、場合によっては弁護士に相談しよう。

解答例B

  • 同じような目に合って延滞金で大変な思いをしている利用者がいるのであれば、それを解消すれば大きなビジネスになるかもしれない。このビジネスの問題を解消できる新しい手はないだろうか?

レンタルDVDの延滞料が、ビッグビジネスの芽となった

 米国のとあるビジネスマンの元に1通の催促状が来ました。送付元はレンタルビデオ大手のブロックバスターで、内容は延滞しているレンタルDVD『アポロ13』の延滞料40ドルを直ちに払うように求めるものでした。このビジネスマンは、多額の延滞料を請求されて、何を考えたでしょうか?

 普通はどのようにすれば延滞料を払わずに済むかとか、妻にどう打ち明けるか、あるいは逆ギレしてビデオ屋に怒鳴りこむといったチョイスくらいしか考えられないと思います。しかし、そのビジネスマンは違いました。

 彼はブロックバスターからの催促状を見て、「延滞料を気にする必要のないレンタル屋はできないだろうか」と考えました。

 そして、もし月額定額料金で何枚でもDVDが借りられるサービスがあれば、うけるのではないか、と思ったわけです。自分の体験した不満を解消するビジネスが実現すれば、同じような不満を感じる人々の共感が得られるはずだと確信したのでした。

 彼の名前はリード・ヘイスティングスといい、日本ではなじみがないですが、今やネットフリックス社という業界1位のオンラインDVDレンタル会社の創業者兼CEOです。

 1997年に創業したネットフリックスはその後、急成長を続け、2010年には2000万人の顧客を持ちます。最近では、DVDだけでなくインターネット経由で映画やドラマを定額料金でストリーミング配信する事業も始めました。米国では、お茶の間の映像サービスとして広く普及し、2011年の売り上げは8.7億ドルを超えるまでになりました。

業界大手は、顧客の不満に鈍感になりがち

 一方、ヘイスティングス氏に催促状を送った当のブロックバスターは当時、全米3000店舗を持ち、ビデオやDVDのレンタルを行っていました。それがネットフリックスを始めとする無店舗型のDVDレンタルや無料のインターネット動画サービスの普及により、経営が悪化。2010年には連邦破産法第11条を申請して、破産してしまいました。ブロックバスターがヘイスティングス氏に延滞料を請求したことがきっかけで、形成が逆転したというのは興味深い話です。

 業界大手というのは、顧客の不満に鈍感になりがちです。ビジネスがうまくいっていると、顧客に不満はないはずだと勘違いしてしまうのかもしれませんね。『ビジョナリーカンパニー』の筆者、ジェームズ・C・コリンズは優れた企業が衰退していく第一のプロセスが「うまくいっているときに傲慢(ごうまん)になること」と指摘しています。

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