コラム
» 2013年03月29日 10時00分 UPDATE

ひといくNow! 人材育成の今とこれから:なぜ新入社員は受け身なのか? (1/2)

「若手社員が受け身で困る」――上司からはよくこんな声が聞こえます。部下に理由を聞くと「上司や先輩が忙しそうで聞きづらい」という意見が圧倒的。しかし、本当にそうでしょうか?

[原田由美子,Business Media 誠]
誠ブログ

 上司やOJTを担当する先輩社員から、入社2年目を迎えるメンバーに「2年目に期待すること」を挙げてもらうと、「自分からコミュニケーションを取ってきてほしい」という期待が多いです。

 言葉を変えると、上司や先輩はメンバーに対して「受け身である」と感じているようです。そこで今回は「受け身」な新入社員を「自分からコミュニケーションを取れる」ようにするためのヒントを紹介します。

新入社員が「受け身である」とはどういうことか?

 ここでいう「受け身」を、もう少し詳しく紹介すると次のようなことを指します。

 新入社員や若手社員に仕事を頼み、しばらく経ってから仕事の進ちょくを確認した時のことを、イメージしてみてください。

 「えっ! ここまでしかできていないの? 分からなかったら、早めに聞きに来てくれればいいのに……」

 「ああ、そうか。言っておけばよかった。そう処理しちゃうよね。でも、確認に来てくれればいいのに……」

 「これをやったら次はこれって、他の人の仕事見てれば分かるよね、ふつう。気を利かせてやると思うんだけどな……」

 など、上司や先輩がメンバーに対して期待する「自分からコミュニケーションを取る」のは、途中で確認や報告(コミュニケーションを取り)にくることや、仕事の前後の流れを理解して気を利かせて対応したり、自分から進んで勉強したりすることを指します。

 そのような期待があることからこそ、新入社員のフォローアップ研修では「自分からコミュニケーションを取る」ための考え方とスキルトレーニングを取り入れた内容をリクエストされることが多々あります。

 私が担当する研修でこのようなリクエストがあった場合には、まずメンバーの現状を確認することから始めます。

グループワークでの行動をうかがう

 具体的にはこうです。研修開始後の早いタイミングでグループワークを入れ、行動を観察する場面を設けます。そして、ワークを指示する場面で一工夫します。指示の一部をわざとあいまいに伝えて、その後の様子をうかがうのです。

 すると多くの場合、メンバーは次のようにグループワークを進めます。

メンバーA ねえ、さっき言っていたこれって、どう考えたらいいの?

メンバーB こんな感じでいいんじゃないの。

メンバーC いいと思う。大丈夫。大丈夫。後は発表で上手くやれば。

 と言った会話があちこちのグループから聞こえてきます。このことから彼らは、あいまいな指示をもらうと「指示を出した人に確認する」よりは、「聞きやすい人に聞き解消する」ことが多いようです。

 その結果、指示者の意図に沿う成果物が作成できずに撃沈します。

 この場合は「指示者に確認できていない」ことに気づいてもらうことが目的です。そのため、「確認できていないこと」に気づいてもらえれば良いわけですが、もしそれが彼らにとって指示をもらった時の基本習慣だとすれば、上司や先輩が困るのも無理はありません。

なぜ確認ができないのか?

 そもそもなぜ確認ができないのか? まずはその要因を考えてみます。私が見たところ次の3つに分類できました。

  1. 指示者に確認する考え方がない
  2. 確認すべきことが、言葉で上手く表現できない
  3. 上司や先輩が忙しそうで聞きづらい

 ちなみに、新入社員に直接その理由を聞いてみることがあります。すると「上司や先輩が忙しそうで聞きづらい」という意見が圧倒的です。

 しかしそれは本当でしょうか?

 彼らの行動を見ていると「指示者に確認する考え方がない」と見るほうが、今後につながる打ち手が打ちやすいように思います。

 というのは、最近はインターネットが普及し、誰でも「検索」すれば自分が必要な回答を得られます。またその回答の中から「自分の価値観に合うもの」を選択することも可能です。

 自分が正しい、自分が良いと思った情報がすべてであると思い込みやすい傾向があるのです。そのため「指示者に確認する」よりも「検索」し「自分がいいと思ったやり方(考え方、進め方)」で進めがちなのです。

そのやり方は仕事でも通用する?

 一方仕事はどうでしょうか?

 仕事は「仕事を依頼する側の価値観」が重要です。仕事を依頼する側が必要とするものでなければ、それは評価されません。仕事を依頼する側の価値観に沿うことが大事です。必要なのは、仕事を依頼する側に確認する行動です。

 社内であれば、確認せずに上手くいかないことも、後でフォローが可能です。しかし社外は違います。確認しなかったことで、仕事が取れなかったり、クレームになることもあるので「確認できる」のと「確認できない」のでは、大きな差が生まれます。

 そのため、「指示者に確認する考え方がない」と考えて、「確認することを基本習慣化するよう指導」するほうが効果的だといえるのです。

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