ゼロからビジネスを生み出し育てる力を持っていれば、起業家はもとより、企業人であっても自分の担当分野を拡大でき、企業内で新しい製品やサービスも構築できます。そこから得られる経済的なメリットも計り知れないものになるでしょう。
「変わらないのは、常に変わるということだけ」
こんな風に言われるほど、世界情勢、経済ルール、顧客の嗜好は目まぐるしく変わっていますよね。それに伴い、ビジネスゲームの勝ち負けもシーソーゲームのようにドッタンバッタン。長い間親しまれたサービスが突然勢力を失い、消え去ることも少なくありません。
私たちの祖父の時代から100年以上も続く超優良企業が、設立10年も満たない小さな新興企業に買収されることも、もはや珍しくありません。産業そのものが、ある日を境に消えてなくなることさえあります。それはビジネスのルールそのものが、激しく変わっていることの証明でもあります。
そんな中、これからのビジネスパーソンに求められるのは、古いゲームのルールを覚えることではありません。古いゲームで勝った経験で、未来を予測することでもありません。常に変わり続けるゲームのルールの中で、新しいビジネスの芽を見つけ、育てるスキルです。「自分でゲームのルールを決められる」力です。
つまり誰かが作ったゲームの中でプレイするのではなく、ゲームそのものを自分で創り出す能力が、ビジネスをプロデュースする人たちに求められるのです。
起業家や経営者には、顧客や事業の問題発見能力、解決のためのアイデア組み立て能力、実行力、分析力、マーケットニーズや勝機を見据えて大胆に自分自身を変えられる能力が求められます。しかし今後は、普通のビジネスパーソンにもこうした力が強く求められることになるでしょう。なぜなら視界不良の混沌とした中で一番熱望されている能力は、そうしたビジネスクリエイティビティだからです。
あなたの上司や会社の経営陣も、そうした能力を身に付けた若い世代が会社の新しい時代をリードしていってくれることを願っているのです。それができる人は、一段も二段も高い、やりがいのあるステージが待っていることでしょう。
一方で指示されたことをやる、与えられたフレーム内での仕事をこなす姿勢の人は、やがて価値を失うでしょう。もっと人件費の安い海外労働力、コンピュータ、アウトソーシングなどにリプレイスされるかもしれません。そうならないためにも「あなたが企業にとって不可欠な存在になる」、そうしたポジションを目指しましょう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.