インタビュー
» 2013年04月24日 08時02分 UPDATE

仕事をしたら“世界の名刺”が見えてきた(中編):名刺はどこで生まれたの? そして日本にやって来た日 (1/5)

普段、何気なく使っている名刺は、いつ・どの国で誕生したのか。そして、日本にはいつ・どういった形で使われ始めたのか。名刺の達人・Sansan株式会社の富岡さんに話を聞いた。

[土肥義則,Business Media 誠]

仕事をしたら“世界の名刺”が見えてきた:

 「これを捨てたのはドイか? バカモノーっ!!」――。記者がまだ“駆け出し”だったころ、会社の先輩からこのように怒られたのだ。

 なぜ怒られたかって? 実は取材先でいただいた名刺を、「ま、この人とはもう二度と会わないや」といった理由でゴミ箱に捨てていたのだ。たまたまゴミ箱に捨ててある名刺を見つけた先輩が、それを取り出して、こんこんと説教を始めた、という次第。

 社会人になって右も左も、そして上も下も分からなかった記者にとって、その先輩からの指摘はありがたかった。あのままどんどん名刺を捨てていたら、人を大切にしない人間になっていたかもしれない……そう思うと、ゾッとするのだ。

 「名刺」についてはそんな苦い経験があるのだが、とある勉強会で知り合ったIさんにこのようなことを言われた。「ドイさん、海外では名刺がどのように使われているのかご存じですか?」と。そんなことは考えたことも、注意もしてこなかったので、まったく想像できなかったのである。

 「名刺のマナー」とやらを調べてみると、いろいろなことが書かれている。「文字に指がかからないように」とか「相手よりも下に出すように」とか。確かに、日本で名刺交換をするとき「相手よりも下に」出す人をたまに見かけるが、海外ではどうなんだろう?

 そんな疑問を感じていると、Iさんから「海外の名刺事情に詳しい人がいるんですよ。ご紹介しますね」という言葉をいただいた。そんなこんなで、名刺管理アプリ「Eight」などを提供しているSansan株式会社で事業部長を務める富岡圭さんを取材することに。


日本に名刺がやって来た日

yd_sansan2-1.jpg Sansan株式会社で事業部長を務める富岡圭さん

富岡:ドイさん、私たちが普段使っている名刺って、いつごろできたかご存じですか?

土肥:グーテンベルクの活版印刷技術によって本の大量印刷ができるようになったのが、確か15世紀だったと思うので、それ以降じゃないですか。17世紀くらい? (適当)

富岡:いろいろな説があるのですが、一般的に名刺の発祥は中国と言われています。三国時代の武将「朱然」(182〜248年)の墓が1984年に発掘されたときに、名刺が発見され、これが現存する最古の名刺ですね。

土肥:ということは、2000年ほど前からあったと?

富岡:ですね。紙ができる以前、中国では竹を削った札に名前を書いて、それを「名刺」と呼んでいたようです。

土肥:日本ではいつごろから名刺が使われたのでしょうか? 中国が2000年前なので、1000年前? 1500年前?

富岡:19世紀初期の江戸時代からだと言われています。

土肥:中国が名刺を使ってから、1800年後くらいですか。遅いなあ。

富岡:そのころは和紙に墨で名前だけを書いて、訪問先が不在の場合、訪問したこを知らせるための手段として使っていました。

 今のように印刷した名刺を使うようになったのは、幕末開国のころから。西洋から印刷技術が日本に入って、ようやく印刷した名刺をつくるようになりました。当時のデザインは、家紋の下に名前を書く人が多かったそうですよ。

土肥:ほー。それが今では会社のロゴになったわけですね。

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