KDDIの起業支援サービス「SmaBI」はどこまで使える?個人事業主が挑戦(3/4 ページ)

» 2013年06月03日 11時00分 公開
[三河賢文Business Media 誠]

専門知識を持たずシーンに合わせた法的書類を作成できる「法的書類作成ツール」

 会社経営をする上では、さまざまな書類のやり取りが発生する。いくらインターネットが普及しても、こればかりは変わらない。

 例えば従業員にかかわる手続き。入社、退社はもちろんのこと、結婚によって扶養家族が増えたり、住所が変更されたりする。会社員であれば気にすることもない“変化”にも、手続書類が必要だ。あるいは会社名が変わったり、事業年度を変更したりといった会社情報に関する届け出にも、やはり書類がかかわる。

 もちろんある程度予定の上で行うことではあるが、自社内で手続を行うには専門家が必要だろう。しかしスタートアップの段階で、こうした専門家を雇用することは難しい。そうなれば外部に作成を委託するという選択になるが、ここでもやはり大きなコストが掛かる。プロジェクトニッポンの統計では年間約80万円ものコストがこうした法的書類の作成(委託)に割かれているとのことだが、決して見逃せない数字である。

簡単な質問が出てくるので、該当するものを選択していくだけで書類が作成できる

 しかしSmaBIはこうした法的書類も、会員向けに作成ツールを提供している。法人設立の際と同様に、書類の作成にはWebブラウザ上で質問に答えていくだけ。フォーマットにその回答内容が反映され、すぐに書類が完成する。作成に必要な時間は書類によって異なるが、委託費用と対比してみればローコストであることは明らかだ。しかも月額制サービスなので、何枚書類を作成しても都度コストが発生することはない。

 とはいえ、作成書類に不備があっては困る。いくらフォーマットに則して作成されるとはいえ、万が一の事態を考えれば不安もあるだろう。そんなときには、SmaBI上で作成した書類は各方面の専門家にチェックしてもらうことができる。書類上で不明な点があれば、その際に質問も可能だ。まるで外部ブレーンがいるかのように、各種手続を安心かつスムーズに進められる。

専門家によるバックアップ体制を構築できる「社長参謀」

 法的書類作成ツールで「専門家のチェック・相談」が出てきたが、実はこのSmaBIでは、100人以上もの専門家が会員をサポートしてくれる。税理士や社労士といった士業有資格者はもちろんのこと、資金調達や営業などのスペシャリストに至るまで、実に多彩な専門家がそろっている。

 「100人もいたら、誰に相談すれば良いか分からない」

 という声も聞こえてきそうだが、その点は問題ない。相談内容とともに簡単な3つの質問に回答すると、適切な専門家をSmaBI側が提案してくれるのだ。専門家とはいえその専門分野などは異なるため、SmaBI側が選んでくれるのは心強い。判断を誤って不適切な専門家に相談を投げてしまったら、双方にとって時間の無駄でしかないからだ。

「何について相談したいのか?」を選べば、SmaBIが適する専門家を紹介してくれる

 税理士や社労士、法律家、コンサルタントなど、世の中には専門家がたくさんいる。しかしそうした専門家の力を必要とする場合、月数万円を超える費用が伴うことが通常だ。この費用は専門家1人ずつに対して必要なので、何でも相談したいと思えばそれだけコストは膨大になる。資金潤沢な大企業ならばそれも良いかもしれないが、中小やベンチャー企業にとって現実的な話ではないだろう。SmaBIはそうした固定報酬を必要とせず、あらゆる専門家からの助言を受けられる。自らは経営に集中し、またコストを気にせずに専門家のバックアップを受けられるというわけだ。

 なお、専門家への相談は1回当たり5250円。これはSmaBIの月額利用料とは別途必要だ。ただし相談への回答が分かりづらかったり、解決に至らない場合などは、納得のいくまで追加料金なしで質問ができる。

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