前編 ポメラ「DM25」で“ノートPCレスのワークスタイル”に挑戦IT記者はポメラでノマドワーカーになれるか(2/3 ページ)

» 2013年06月18日 00時00分 公開
[森田秀一,Business Media 誠]

 キーボードの剛性感にも若干の不安を覚える。DM25はキーボードを横方向に折りたたむという構造のためか、使用時であってもキーボードの底面すべてが直接接地しない。DM25をテーブルに置いたとすると、右カーソルキーの底面は約8ミリほど浮いた状態になっている。このため、キーボード中央部のFキーやJキーなどはともかく、端のほうにあるEscキーやEnterキーの押下感が若干異なる。

Photo 私物のノートPC「VGN-TT90S」(ソニーVAIO)との比較。横幅はさほど変わらない
Photo ただし縦幅はかなり異なる
Photo 写真だと少々分かりづらいか、キーボード面とテーブルの間には8ミリほど空間がある。このため、利用環境によってはEnterキー入力時などに若干がたつく印象がある

 また、DM25を試用して改めて実感したのが、パームレストの重要性だ。パームレストはキーボード面に手に置いたとき、手のひら部分を楽に固定するための空間で、さすがにコンパクトさを優先したDM25にはない。このため、手を空中に固定するような感覚にならざるを得ない。

 いまさらながら気付いたのだが、筆者の周りにあるデスクトップPC用キーボードやノートPCにはほぼ100%パームレストが付いていた。唯一、付いていなかったのが、Apple Wireless Keyboard。かつて「仕事の肥やしにでもなれば」と思ってMac miniとセットで導入したものだ。

Photo Apple Wireless Keyboardよりも小さめのDM25

 結果的には、Mac OSにはなかなか慣れることができなかった。もちろん、あくまでも趣味で購入したもので、仕事のWindows PCを代替する気はそもそもなかったのだが、ポメラに触れた今、改めて考えてみると、キーボードが使いにくかったことが影響しているように思えてきたから不思議である(まぁ、筆者の気合い不足が一番の原因だろうが)。

 ただ、キーボードの大きさ、パームレストの有無を含め、ここまで挙げた入力に関わる諸問題は、結局のところ、ポメラを利用する周辺環境にも依存するかもしれない。仕事用デスクなど、利用スペースをたっぷりとれる場所であれば、肘をしっかりと開き、前腕部全体を接地させることでかなり安定して入力が行える。

Photo パームレストがないため、非常にコンパクトに感じるDM25だが、やはり快適な入力のためにはある程度の空間が必要だ

 一方で、マクドナルドのカウンター席のように、奥行きが狭く、両隣の人に肘が当たらないように気を使う必要がある場所では、心なしか入力ミスが増える印象だ。もちろん、こういう状況はパームレスト付きのノートPCでも苦労するので、ポメラだけの問題ではない。

 結局のところ、いくらコンパクトなポメラであっても、快適に入力するためにはそれなりのスペースが必要ということだ。「小さいポメラなら、電車の座席や膝の上でも使えるかも」というのは、過度な期待だろう。

文字入力・編集機能は必要にして十分

 ソフトウェア面の仕様はどうだろうか。実際、本稿の一部をDM25で入力してみた。

 漢字変換にATOKを採用していることもあって、変換はかなりスムーズだ。筆者が個人的に多用するCtrl+Backspaceキーによる変換アンドゥ(変換確定直後に入力すると、未確定状態に戻る)操作もきっちりと行えた。

Photo インの入力画面。全角スペースや改行などの各種制御文字表示も可能(画面=左)。ATOK搭載を示すアイコン(画面=右)

 ATOKのキー操作をサポートしている点もうれしい。設定メニューの「入力スタイル」から、MS-IMEとATOKの操作方法を切り替えられる。ここでATOKを指定すれば、矢印キー下で変換時の文節確定、矢印キー左右での文節伸縮ができる。

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