後編 ポメラ「DM100」とiPad、FlashAirで、“ノートPCレスのワークスタイル”を試すIT記者はポメラでノマドワーカーになれるか(3/5 ページ)

» 2013年06月19日 10時00分 公開
[森田秀一,Business Media 誠]
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FlashAirがあれば、アドホック接続で文書の受け渡しが可能

 では、DM100で書いた文章を、ファイルという形でうまく外部に受け渡す方法はあるのだろうか。その答えの1つになるのが、FlashAirとの併用だ。

Photo 東芝のFlashAir。容量は8Gバイト。見た目は普通のSDカードそのもの(画面=左)。ただし、裏面にはMACアドレスの記載がある(画面=右)

 FlashAirは、東芝が発売している無線LAN内蔵のSDカード。これをデジタルカメラなどに装着して写真撮影を行うと、その画像ファイルに無線LAN経由でアクセスできる。SDカードスロットを搭載していないスマートフォンなどへ画像をコピーするには、まさにうってつけだ。

 DM100ではさらに独自の対応として、クラウドメモサービスの「Evernote」にファイルをアップロードできるようになっている。接続すべき無線LANアクセスポイントとEvernoteのアカウントを登録しておけば、メニューにしたがっていくだけなので、非常に簡単だ。

 アップロードには当然インターネット回線が必要。外出先で行うとなれば、当然、スマートフォンのテザリング機能や、モバイルWi-Fiルータを使ってDM100をネットにつなぐ必要があり、やはり少々面倒だ。

Photo メニューから選択していくだけで、簡単にEvernoteへファイルを送信できる(画面=左)。ただし、インターネット接続は当然必要。このように、接続先アクセスポイントを選ぶ画面もある(画面=右)

Photo WebブラウザでFlashAirにアクセスした状態(URL表示欄に注目)

 だが、実はこのDM100の独自機能を使わなくても、タブレット側に原稿の内容を送ることができる。FlashAir自体が非常に汎用性の高い作りになっており、画像以外のファイルも開くことができるのだ。DM100上で文章を入力すると、実際にはTXTファイルがメモリ領域内に生成され、これを開く格好になる。

 さて、タブレット側からFlashAirへアクセスするには、Webブラウザを使う。iOS/Android向けにそれぞれリリースされている専用アプリを使ってもいいのだが、細かな仕様が違う点があるので詳しくは後述する。

 動作の理屈としては、タブレットの無線LAN接続先を一時的にFlashAirのSSIDに切り替え、通信ルートを確立するという方式。この状態でWebブラウザから「http://flashair/」を開くと、FlashAirのメモリ領域に保存されているファイルを閲覧できる。なお、SSIDを切り替えている間は一時的にWi-Fiでのインターネット接続が不能になる。

 iPad(iOS)から文書ファイルの中身を閲覧する際には、必ず“Webブラウザ”を使おう。目的のファイルを見つけ、タップすると、その中身がWebブラウザ内に表示される。これを全文コピー&ペーストすれば、「メモ」アプリや「メール」アプリなどに文書を渡せる。DM100で書いた文章ファイルをiOSに転送し、推敲するという用途が現実化するのだ。

 なお、残念ながらTXTファイル自体をiPad側に保存することはできないようだ。また、FlashAir専用アプリでは、ファイル一覧内でTXTファイルがあるのは確認できるのだが、ファイルを開くことができない。このため、絶対にWebブラウザからのアクセスが必要になる。

Photo 目的のTXTファイルをタップすれば問題なく開ける(画面=左)。FlashAir用アプリでは、ファイルを開くことができないので注意(画面=右)

 一方、Nexus 7(Android)では、ファイル操作系アプリを用意しておけば、Windows感覚のファイル操作が可能だ。このため、TXTファイルを直にNexus 7内へ保存できる。ファイルを開きたい(=文書をコピー&ペーストする)ならば、Webブラウザを使おう。

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