LINE@が生み出す市場の可能性――コンサルサービスも登場(1/2 ページ)

月額5250円で手軽に始められるLINE@。実店舗を持つ中小企業にとっては強力な販促ツールといえる一方、ノウハウなしに始めても期待する効果は得ずらい。そんな企業をターゲットにしたコンサルサービスが登場した。

» 2013年06月27日 12時00分 公開
[上口翔子,Business Media 誠]
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サービス開始から1年7カ月で1億ユーザーを突破。そこまで多くの人が利用するまでにはTwitterでも約4年、Facebookでも4年5カ月の時間を要した

 LINEがものすごい勢いで世の中に浸透しているのは多くの人が感じている通り。2013年5月には世界1億5000万、国内で4500万ユーザーを超え、まさに日本人の3人に1人が利用するまでに成長した。通信キャリアを問わず誰とでも無料で通話やメッセージのやりとりができる手軽さから、特に若い世代を中心にアクティブ率が高いのも特徴だ。

 そんなLINEを企業のマーケティングに活用する動きも加速している。企業がLINEを活用しようと考えた場合、大きく3つの方法がある。1つ目はLINEの人気コンテンツであるスタンプを自社のオリジナルで作成し、配布する方法。2つ目は「公式アカウント」と呼ばれる自社アカウントを作成、運用し、LINEユーザーと直接コミュニケーションを図る方法。そして3つ目が2012年12月にスタートした公式アカウントの廉価版「LINE@」を利用する方法だ。

 中でもLINE@は、実店舗を持つ企業であれば月額5250円から始められ、かつチラシ配布やメールマガジンに代わる手軽な販促ツールとして有効であることから、注目が集まっている。これまで大規模企業が使う公式アカウントはハードルが高かったという企業でも、申し込みから1〜2週間で始められるのだ。

 一方で、簡単に始められるからといってただやみくもに運用していい訳ではない。誰をターゲットに、どのような効果を得ることが目的なのか、きちんと戦略を立てた上で開始することでより高い効果を得られるサービスでもある。誠 Biz.IDの連載『今日からはじめるLINE@』の中で紹介したピザチェーンのナポリスなどはまさに成功例といえるだろう。Facebook、Twitterとうまく連携しながら、若い世代へのリーチを増やしている。

LINE@の始め方

 どうせやるのなら、ナポリスのようにうまく道筋を立ててLINE@を活用していきたい――。具体的にはどのようなステップを踏んでいけばよいのだろう。

 そんな悩みを体系化して解決するコンサルティングサービスも登場している。それがトライバルメディアハウスの「LINE@開設・運用支援サービス」だ。キリンビールやトヨタ自動車といった国内有数企業のFacebookやTwitter活用を支援する実績を持つ同社が、LINE@を活用したい企業向けにオペレーション設計から社内研修、アカウントの導入、運用までを請け負う。

 「企業のソーシャルメディア活用はここ数年で大きく浸透した。これから始める企業、そして数年前から始めてはいたがノウハウがなくよく分からない状態になってしまった企業ももちろんあるが、早くから取り組んでいる企業は、確実な成果を出し始めている。FacebookやTwitter、Google+、mixiなどの運用支援をしていてそんな印象を持つ」と話すのはトライバルメディアハウスで戦略策定コンサルティングを担当する松田かおりさん。

トライバルメディアハウスの松田かおりさん

 LINE@はまだ始まったばかりのサービスだが、それでも実績を出している(ターゲットとするユーザー数を増やし、売上増加につなげている)企業もある。そうした企業には、必ず成功要因がある。トライバルメディアハウスではLINE@公式ガイドの執筆に当たり、LINE@を早い段階で開始し運用ノウハウを蓄積している15社を取材。サービス、小売、飲食、アパレル、個店、チェーンなど幅広い業種、業態でどのようにLINE@を運用しているかを分析した。

 そのアウトプットとして、運用支援サービスの開始、LINE@初の公式本の出版事例企業の活用法を紹介するセミナーなどの開催を予定している。

 「マーケティングツールの側面で見た場合、他のソーシャルメディアと比較してのLINE@の強みは、情報のリアルタイム性、到達性、そしてエリアターゲティングや店舗への来店喚起。Facebookはどちらかといえばメーカーのブランディング目的に利用するケースが多い。LINE@は店舗を持ち、その地域のファンに向けて集客増加を望む企業に有効なツールといえる」(植原正太郎さん)

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