ついうっかり「すみません」を連発していませんか? 感謝の言葉に置き換えよう田中淳子の人間関係に効く“サプリ”(1/2 ページ)

気遣いをする人ほど、会話の中で「すみません」を連発してしまいがちだが、これでは相手を困らせてしまう。感謝の言葉やお礼の言葉に置き換えるよう意識してみよう。

» 2013年07月04日 10時00分 公開
[田中淳子,Business Media 誠]

田中淳子の人間関係に効く“サプリ”:

 職場のコミュニケーションに悩んでいる人も多いのではないでしょうか。「上司にこんなことを言ったら怒られるかもしれない」「部下には気をつかってしまうし」――。

 本コラムでは、職場で役立つコミュニケーション術をご紹介します。具体例を挙げながら「なるほど! こういうやり方があるのか」「これなら自分でもできるかもしれない」と感じてもらえるよう、筆者が見聞きした出来事をちりばめています。

 明日から……ではなく、いますぐに試すことができる「コミュニケーションのヒント」をご紹介しましょう。


 以前、「変な話」を合間合間に挟み込む人がいた。

 「変な話、お客様から連絡をいただいて、変な話、僕が訪問してきたんだけど、打ち合わせの中で、変な話、営業部長が……」

 「当社の強みは、変な話、長いお付き合いをいただいているお客様が多く、変な話、リピートオーダーがあることは自負してもいいと思う……」

 などなど、なぜか、途中に何度も「変な話」が入る。全然変な話ではないのに。

 ある時、彼との打ち合わせを終え、会議室から出て廊下を歩いていると、同席していたあるメンバーが、私にぼそっと言った。

 「ねぇ、○○さんと打ち合わせしていると、なんかすごーく“変な話”を聞かされた感じ、してこない?」

 同じように感じていたので、「分かるー」と思い切り同意してしまった。

 人にはいろいろな言葉の癖がある。人は、自分の言葉の癖には無自覚なものだが、他者のそれには比較的敏感で、気になるものだ。

 そういえば、以前、「すんません」が口癖の同僚がいた。

 彼からの内線電話は、こんな風に始まる。

 「すんません、山口(仮名)ですけど」

 電話を切る時も同じだ。

 「すんません、それでお願いします。それじゃあ、すんません」 プー、プー、プー……。

 もちろん、途中でも「すんません」を連発する。

 彼が会議でプレゼンするときも同様だ。

 「あ、すんません、山口です。私からは、○○の件を報告させていただきます。すんません」

 「以上で、私の発表は終わりです。すんません。」

 私だけではなく、他の同僚も気になっていたらしく、時々、誰彼となく「すんませんが多いよ。謝らなくていいよ」と苦笑しながら指摘することもあった。

 一日中、あちこちで「すんません」と言っている彼は、非常に気遣いをする人だったので、そういう気持ちの表れではあったのだろう。でも、何度も言われると、こちらもなんとなく恐縮してしまう。「そんなに謝らなくていいから」と思うのだ。「謝らせているわけじゃないのに」と気に病むこともないわけではない。

 彼と仕事をしたのはもう何年も前なのに、耳に残るほどの回数だったためか、いまだに、彼の口癖である「すんません」は耳に残っている。

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