世界で通用する人は、集中力を身に付けない世界で通用する人がいつもやっていること(1/2 ページ)

脳は外部からのあらゆる刺激に敏感です。仕事でも勉強でも、限られた時間で集中して取り組みたいと思ってもうまくいかないこともあるでしょう。何かに集中したいときは、脳が集中しやすい環境を作ることが効果的なのです。

» 2013年07月04日 11時00分 公開
[中野信子,Business Media 誠]

集中連載「世界で通用する人がいつもやっていること」について

 本連載は、世界で通用する仕事やコミュニケーションをこなす一流の人たちが実践していることを紹介している、中野信子氏著、書籍『世界で活躍する脳科学者が教える! 世界で通用する人がいつもやっていること』(アスコム刊)から一部抜粋しています。

 世界で通用する人がいつもやっていることとは、具体的にはどういうことなのでしょうか? 実は、「空気は読まない」「敵を味方にしていく」「適度なストレスを与える」「いつでも仕事が楽しそう」など、ちょっと練習が必要なものもありますが誰もが簡単に身につけることができるものばかりなのです。

 著者の中野氏は、東京大学大学院医学系研究科出身の脳科学者。世界上位2%のIQ所有者のみが入会を許される「MENSA」に所属し、フランス原子力庁勤務の経験もあるという。本書は、世界で活躍する脳科学者・中野信子氏が世界中で出会ってきた、世界で通用する仕事やコミュニケーションをこなす一流の人たちが実践していることを紹介した、今までにない自己啓発書です。本書を通じて、自分を磨くことをどんどん楽しめる人になってください。


著者プロフィール:

中野信子(なかの・のぶこ)

 東京大学大学院医学系研究科脳神経医学専攻修了、医学博士。2010年までフランス原子力庁に勤務。世界で上位2%のIQ所持者のみが入会できるMENSAの会員。

 現在、脳や心理学をテーマに研究や執筆の活動を精力的に行っている。

 学習法だけにとどまらず、音楽と脳、セックスと脳、コスプレと脳、恋愛と脳、人工知能と脳、言語と脳、香水と脳など、従来にない脳の分析も得意とする


環境を整えることで集中力は自ずとわいてくる

 集中力と言っても個人差が大きいものです。「自分は飽きっぽいから集中力なんて身に付かない……」そんな風に思っている人もいるかもしれません。でも、もしあなたがそう思っていたとしたら、非常にもったいないことです。

 「自分はいろいろなことに目移りしがちなので、1つのことに集中するのが難しい」という人は、まず「集中力を身に付ける」という発想を捨ててほしいと思います。

 本来、脳というものは集中できる環境を作ってやると、勝手にそのことに集中してしまうようにできています。「集中力を付ける」ための意味のなさそうな努力を一生懸命するよりも、脳が集中しやすい環境作りをすることのほうがずっと簡単で効果的なのです。

 私自身もかなり目移りしがちな性格です。自分でもそう思うし、友人たちに聞いても口をそろえてそう言います。かといって、物事に集中できないかというとそうでもありません。読書でもゲームでも1つのことを始めてしまうと、周りで誰かが何か言っていてもまったく耳に入らない状態を作ることができます。

 高校時代の思い出ですが、私が勉強に熱中するあまり母が心配して「あまり勉強すると頭がおかしくなるからやめなさい」と怒られたこともありました。でもこれは、私に「集中力がある」からではなく、集中するためのお膳立てがうまくいっていたということにほかなりません。

 それでは、集中しやすい環境を整えるにはどうすればいいのでしょうか? 人の脳は雑音や騒音があるとそれに注意が向いてしまい、集中すべきことに集中できなくなってしまいます。音楽やテレビの音、人の話し声などがそうです。集中している状態が続いているときには、これらの音は気にならなくなります。

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