同僚を前向きにリードする3つのコミュニケーション仕事に負けない、頭と心の整理術(3/3 ページ)

» 2013年07月09日 10時30分 公開
[竹内義晴,Business Media 誠]
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(3)同僚やスタッフに伝える情報の質を高める

 私たちの体が、これまで食べてきたものと飲んできたものでできているように、私たちの信念や価値観も、これまでに触れてきた情報によって作られています。

 同様に職場の周りの同僚やスタッフの価値観も、どのような情報に多く触れるかによって変わってくるのではないかと思います。

 もし、同僚やスタッフにもっと前向きに働いてほしい、同じ思いを持った人たちと働きやすい職場を作っていきたいと思うなら、日常の会話や職場で流れる情報をそのような情報に変えていくといいのではないでしょうか。そこで「お風呂理論」のように、同僚のお風呂に、前向きな情報をためていきましょう。

 例えばリーダー層の中には、よく「もっと売り上げを上げるために努力しなければならない」「ホウレンソウを徹底すべきだ」というように、「ねばならない」「すべき」という言葉を好んで使う人がいます。

 「ねばならない」「すべき」という言葉は強制的、制限的です。職場の中でこのような言葉が溢れていると、息苦しい空気が流れます。

 私が属しているいくつかの組織では、この傾向は面白いように表れています。クリエイティブな組織では、そこに集う人の言葉は前向きです。現状に甘んじている組織ほど「ねばならない」「すべき」「昔は○○だった」のような後ろ向きな言葉で溢れています。

 「もっと柔軟なアイデアと発想を“出さなければ生き残れない”」

 「これからは新しいビジネスモデルを作って“いかなければならない”」

 というようなメッセージは、「柔軟なアイデア」や「新しいビジネスモデル」という言葉の意味からして矛盾しています。「柔軟なアイデア」を出すなら楽しさが必要で「新しいビジネスモデル」ならワクワクできる空気が必要なのではないでしょうか。

 では、同僚やスタッフに、前向きで働きやすい職場を作っていくためのメッセージをどのように伝えたらいいのでしょうか。

 「ねばならない」 → 「したい」

 「すべき」 → 「○○するともっといい」

 のような、前向きで肯定的な言葉を使っていくべきです……。いえ、言葉を間違えました。使っていきたいと思います。言葉を楽しく、明るくしていくことで、無理に「もっと前向きに考えよう」などと言わなくても、自然と前向きな空気に変わっていきます。

竹内義晴(たけうち ・よしはる)

 1971年生まれ。経営者、教師、コンサルタント、コーチ、カウンセラーなど、リーダー層を支えるビジネスコーチ。人材育成コンサルタント。

 自身がプレッシャーの多い職場で精神的に追い込まれる中、リーダーを任される。人や組織を育てるには、マネジメントの手法だけでは太刀打ちできないことを痛感。優れたリーダーたちが使う卓越したコミュニケーションスキルを学び、実践。チームの変革に成功する。実践の経験から、難しいコミュニケーションスキルを誰もが現場ですぐに使えるようにした独自の手法「トライアングルコミュニケーションモデル」を考案。実践的なコミュニケーション方法を伝えるコミュニケーショントレーナー。

 米国NLP協会認定NLPトレーナー、NPO法人しごとのみらい理事長。著書に『「職場がツライ」を変える会話のチカラ』(こう書房)、『イラッとしたときのあたまとこころの整理術―仕事に負けない自分の作り方』(ベストブック)がある。


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