『不格好経営』を読んでネットオークションにはまっていた当時を思い出すBiz.ID Weekly Top10

学生時代、モバオクにはまっていたあの時、提供側のDeNAがどのような努力をしていたのか、創業者の南場さんの書籍『不格好経営』を読んでとても感慨深くなりました。

» 2013年07月17日 17時50分 公開
[上口翔子,Business Media 誠]
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 先週のアクセスランキング1位は「元マイクロソフト社長の成毛眞氏――『もう10年来MS製品は使っていない』」、2位は「非破壊型『切らずにスキャン』ScanSnap SV600は本当に『自炊』に使えるか?【前編】」、3位は「『2位じゃダメなんですか?』への正しい答え方」でした。

 4位の記事「かつて優秀だったはずの人がなぜ平凡化していくのか」の関連記事で紹介した「辞めません、でも頑張りません――『新・ぶら下がり社員』現る」も2011年1月公開の記事ながら再ランクイン。気になる人はぜひ併せて読んでみてください。


 ランキング1位と7位にランクインした元マイクロソフト社長の成毛眞さんのインタビュー記事。これは、注目している起業家にインタビューを行うまつもとあつしさんの連載の初回でした。

 次回インタビュー予定は、DeNA取締役で創業者の南場智子さん。南場さんは書籍『不格好経営―チームDeNAの挑戦』を出版されたばかりで、私も早速読んでみました。南場さん自身のDeNAに対する思いもそうですが、個人的には学生時代にはまっていたネットオークションの裏事情も分かって面白かったです。

ネットオークションにハマっていたころ、モバオクが出てきた

 DeNAというと、一般的にはスマホゲーム「モバゲー」の会社というイメージが強いかもしれません。でも、私の中では、それよりも「モバオク」の会社として印象づけられています。

 DeNAのミッションは当時、今で言う「ヤフオク」のようなネットオークションがなかった時代に日本で最初のオークションサイトを立ち上げることでした。結果的に後発になってしまいましたが、それが「ビッダーズ」です。

 そのころ小学生だった私は『HUNTER×HUNTER』(ハンターハンター)という漫画を読んで、世の中にはオークションという誰でも出品者や購入者になれる仕組みがあることを知りました。しかし地方出身の自分がそこに参加するには、物理的な制約が多く、それがインターネットでできる、ヤフオクが出てきたときにはうれしくてすぐに親に会員登録をしてもらった覚えがあります。東京に行かないと買えないレアなものや、自分にはもう必要ないけど誰かにとっては価値があるものを低コストで売り買いできる――ヤフオクすごい! と思ったのでした。

 そして高校生になったころ。ヤフオクにもある制約があることに気が付きます。PCの前にいないと使えない。当時はスマートフォンもなければネットも固定回線しかなかったので、家か学校でしかヤフオクができない。移動中、携帯電話でオークションができればいいのに――と思っていたときに出てきたのが「モバオク」でした。

 ヤフオクと比較するとユーザー層が若いのかメールのやり取りが雑だったり価格設定がざっくりしていたり、最初は戸惑いがあったものの、うまい使い方をすれば儲けられる――そう確信したときがありました。例えば当時高校生の間ではやっているCDやチケットはヤフオクよりもモバオクのほうが価格が上がりやすかった。あるアーティストの初回版CD(1200円で購入)をヤフオクだと定価ギリギリまでしか伸びないのが、モバオクだと落札者の競りで5000円まで跳ね上がるのです。スポーツ系のチケットも当日ギリギリまで出品していても価格が付くこともありました。

 社会人になってからは必要最低限しかオークションは利用していませんが、当時、売っては買い、売っては買いを繰り返して小銭稼ぎをしていた裏に、DeNAのあんな苦労があったなんて――と、本を読みながら感慨深く思ったのです。今から取材が楽しみです。

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