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» 2013年07月18日 10時00分 UPDATE

田中淳子の人間関係に効く“サプリ”:相手の愚痴がピタリと止み、気持ちが切り替わるこんなひと言 (1/2)

部下や同僚の愚痴がやまない……。こんな時、アドバイスをしたり、お説教したりするのは逆効果。有効なのは、こんなひと言だ。

[田中淳子,Business Media 誠]

田中淳子の人間関係に効く“サプリ”:

 職場のコミュニケーションに悩んでいる人も多いのではないでしょうか。「上司にこんなことを言ったら怒られるかもしれない」「部下には気をつかってしまうし」――。

 本コラムでは、職場で役立つコミュニケーション術をご紹介します。具体例を挙げながら「なるほど! こういうやり方があるのか」「これなら自分でもできるかもしれない」と感じてもらえるよう、筆者が見聞きした出来事をちりばめています。

 明日から……ではなく、いますぐに試すことができる「コミュニケーションのヒント」をご紹介しましょう。


 めったに愚痴ることのない、比較的勝気な同僚が珍しく、ぼそぼそと愚痴をこぼしたことがあった。思うように進められないことに対して、誰かを批判しているのではなく、「もう、私、自分の能力が足りないと思うとなんだか悔しくて……」などというのだった。「交渉したり、社内外の調整をしたりしていると、話が伝わらなかったり、誤解を招いたりすることがあって、自分の実力不足に落ち込むわー」と状況を説明してくれた。

 ああ、分かる、分かる。私が関わっていない仕事の話だったので、どんな状況なのかは全く分からなかったけれど、仕事をする中で「調整」というのは本当に厄介なもので、話がすーっと前進しないとき、何ともいえない忸怩たる思いを抱くのはとてもよく分かる。

 「その気持ち、分かる。すごく分かる!」と言い、「何の仕事のことかはちっとも分からないけど、気持ちだけは分かる!」と首を激しく縦に振りながら、思わず手を握ってしまったほどだった。

 その会話から数日経って、仕事がらみのメールが彼女から届いた。その最後に「追伸」という形で添えられていたのは、次のような一文だった。

 「この間、『気持ち、分かるぅー』と淳子さんが言ってくれて、だいぶ気が楽になった。そういう風にイラついている自分がいけないのかな、とか、能力があればそんな風に思わないはずなのに、と自分を責めていたけど、淳子さんの言葉で助けられた。まあ、がんばるわ」

 「気持ちだけは分かる」とい言ったことがそんなに心に響いたのか、とびっくりしてしまった。

Photo 相手の話の中で「内容」と「感情」のどちらが大きいかによって対応も変わってくる(写真はイメージです)

 仕事というと、ビジネスライクに、ロジカルに――という風に思われがちだが、世の中には論理とか理屈で割り切れないことも多々ある。悔しいとか切ないとか悲しいとか悶々と悩むとか、さまざまな感情を抱き、それを処理しながら、みんなちょっとずつ前進しているのだ。

 大人だから感情面はなんとか自分で処理して、実務面を粛々と推進する――と頭では思うものの、どうしてもその感情部分を処理できないこともある。

 下手な相手に話すと「まぁ、もっと大人になってさー」などと肩をたたかれておしまいにされることもあるし、「そういうことを言ってはだめだ」と言下に説教されてしまうこともあるだろう。下手すると、「こういう風に考えたら?」「こうしたらいいんじゃない?」とアドバイスまでされたりしてしまう。別にアドバイスなど求めていない時でも。

 だから、四の五の言わずに「分かるぅー」とだけ言った私の反応は、彼女の心にストライクだったのかもしれない。

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