30〜50代に熱烈に支持されたややシニア寄り!? “電子ノート”新モデルの逆襲シャープ「電子ノート」開発秘話(3/3 ページ)

» 2013年07月31日 14時45分 公開
[舘神龍彦,Business Media 誠]
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無線LANが内蔵されなかった理由

 筆者はほかにも、無線で容易にIT機器と連携したり、自動で更新データをクラウドにアップロードできたりするほうがいいのではないかと提案していた。 それに対して西宮氏からは、より具体的な接続スタイルの話が出てきた。例えばNFCとBluetoothを内蔵し、NFCでペアリングしてBluetoothでデータ転送するようなスタイルは将来的にはあり得るそうだ。「シンプルな機能のままで利便性を高めていきたいと考えている」(西宮氏)。

 無線LANが採用されなかったのもシンプルさを重視した結果だ。無線LANを内蔵すると端末価格が高くなり、設定も複雑になる。電子ノートのシンプルさを支持しているユーザー層にはあまり複雑な設定をさせるべきではないという判断があったそうだ。

 もしその種の機能を搭載するなら、テクニカルな問題に対応できるサポート体制なども新たに必要になってくる。製品コンセプトとコスト、サポート体制の3つの点から判断して内蔵されなかったということで、恐らく次期モデルも変更はないだろう。

 私見として言えば、これは“文具”としては正しいように思える。今後、ユーザーはこのジャンルの製品に何を望み、それに対応したどんな機能が実装されるのか。それは、この種の製品がより広く使われることで見えてくるのだろう。

カバー表面。メーカーロゴが型押しで入り、ステッチもより文房具っぽくなった。また今回はエレコム、デザインフィル、リヒトラボ、アクチュードの4社に声をかけ、A6サイズのノートカバーで電子ノートにも利用できるものを推奨品として紹介することにした
登録フォームの画面。「くまもん」や「うまい棒」などのキャラクターリフィルもある。ここにPCで作成した自作のフォームを登録し、逐次呼び出して使うこともできる

著者紹介:舘神龍彦(たてがみ・たつひこ)

 手帳評論家・デジアナリスト。最新刊『使える!手帳術』(日本経済新聞出版社)が好評発売中。『手帳カスタマイズ術』(ダイヤモンド社)は台湾での翻訳出版が決定している。その他の主な著書に『手帳進化論』(PHP研究所)『くらべて選ぶ手帳の図鑑』(えい出版社)『システム手帳新入門!』(岩波書店)『システム手帳の極意』(技術評論社)『パソコンでムダに忙しくならない50の方法』(岩波書店)などがある。誠Biz.IDの連載記事「手帳201x」「文具書評」の一部を再編集した電子書籍「文具を読む・文具本を読む 老舗ブランド編」を発売


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