何のために仕事をしていますか? 夢を描けるようになる3つのステップボクの不安が「働く力」に変わるとき(2/3 ページ)

» 2013年08月12日 08時55分 公開
[竹内義晴,Business Media 誠]

ステップ1:今の自分を満たす

 最初のステップは「今の自分を満たす」ことです。

 不満や悩みなど、毎日がネガティブな感情に包まれていると「夢を描こう」と思ってもなかなかできません。ネガティブなエネルギーはポジティブなエネルギーよりも強いので、いくら視点を未来に向けようと思っても現在に引き戻されてしまいます。

 そこでまず、今の自分を満たしましょう。「夢があれば頑張れる」という言葉があるように、夢は空虚な今の心を満たしてくれる、頑張る勇気を与えてくれるようなイメージがあります。しかし、実はこの考え方は順番が逆です。「夢があるから、今が満たされる」のではなく、「今が満たされているから、夢を抱きたくなる」のです。

 今の自分を満たすためには「自分が心地良いことをする」に尽きます。例えば好きな本を読むと満たされます。好きな映画を観たり、仲のいい友達と話したりするのもいいでしょう。心地よいことを続けていると、メンタル的にも安定してきます。

ステップ2:他の人の夢に乗っかってみる

 今の自分が満たされてくると、新しいことを始めたくなってきます。

 だからといって、急にインスピレーションが湧いて夢が降ってくるわけではありません(それを期待してしまいますが……)。そこで「他の人の夢に乗っかってみる」といいでしょう。

 「他の人の夢に乗っかる」とは、例えば「NPOが開催しているプロジェクトにボランティアとして関わってみる」「尊敬している人が開催しているイベントに参加してみる」などです。さまざまなプロジェクトやイベントに関わっている人は「何かを実現させたい」と思っている人が多いので、自分の夢を語る人がたくさんいます。

 そのような人たちに囲まれていると、今までの「自分なんてこんなものさ」「会社なんてこんなものさ」「人生なんてこんなものさ」という現実的な思考から、「自分にもできるかも」「会社以外にもステージがあるのかも」「人生って、意外と楽しいのかも」というような、「こんな未来があってもいいかも……」という感覚に変わってきます。「自分も夢を抱いてもよい」と許可が出せる感覚と言ってもいいでしょう。この感覚がとても重要です。

 明確な夢がなくても、他の人の夢に乗っかることによって夢を抱いている人の思考プロセスや行動パターンなどが自然と身に付いていきます。また、自分を導いてくれるメンターに出会うこともあるかもしれません。

ステップ3:自分の夢を描いてみる

 さて、ここからが本番です。

 他の人の夢に乗っかっているとき、「私もあんなことをしてみたい」「私も○○さんのようになりたい」というように思います。前向きな人と関わったり、行動したりしていると充実感も得られるので、毎日の仕事や生活も充実感を得られるようになってくるでしょう。中には、本業そっちのけでプロジェクトやイベントにかかわる人もいるかもしれません。

 しかしその夢は他の人の借り物で、あなたの夢ではありません。「○○さんがそう言っていた」ではなく、「私は誰が何と言おうとこれがやりたい」という夢に変える必要があります。自分の夢は、自分で描くしかありません。

 夢を描くというと、未来をイメージしてみるようなことを思い浮かべるかもしれません。中には市場を分析したり、機会と脅威を分析したりするようなビジネスの論理的思考ツールを使って、「今、チャンスがあるのは何か」と考えるもいるでしょう。しかし、そもそも未来をイメージできないから夢を描けないのですし、論理的思考ツールは現実の問題を解決するツールが多いので、新しい未来は描きにくいです。

 そこで私は、自分の違和感を大切にするようにしています。なぜなら「何か違うんだよな」と違和感を抱くのは、その裏に「本当はこうあったらいいな」という心理があるからです。違和感は自分の内面から生じる感覚なので、他の人の影響を受けることがありません。違和感は、自分の夢に気が付かせてくれるアラームシステムです。

 日ごろ、見聞きする情報に触れて「何か違うんだよな」と感じたとき、「じゃあ、自分は何をしたいんだろう?」ということを考えてみてください。嫌なことを明確にすることで、本当にやりたいことが見えてくるのです。

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