スマホやタブレットでPDFを閲覧する際、変換の設定を見直してやることにより、ファイルサイズが縮小されるなどして快適に閲覧できるようになる。利用シーンごとに3つの最適化の方法を紹介しよう。
スマートフォンやタブレットなどにPDFを転送して閲覧する場合、あまりにファイルサイズが大きいと、なかなか表示されなかったりページをめくる動きも遅かったりと、イライラの原因になりがちだ。
最近ではスマートフォンやタブレットのパフォーマンスも向上したほか、アプリも改善されたことでPDFそのものが開けなかったりハングアップすることは少なくなった。しかしもし不必要なまでにファイルサイズが大きいまま送っているようであれば、設定を見直すことでずいぶんと快適になる。
前回はスマートフォンやタブレットでPDFを閲覧しやすいよう、PDF上の余白部分をカットするトリミング機能を紹介したが、今回はスマートフォンやタブレットでの閲覧を前提にPDFを最適化する3つの方法を紹介しよう。
WordやPowerPointなどの文書をこれからPDFに変換して転送する場合は、まずリボンメニューの「Acrobat」の中にある「環境設定」をクリックし、「Acrobat PDFMaker」の設定画面を開く。ふだんはPDF設定が「標準」になっているが、スマホやタブレットに送る場合は、ここを「最小ファイルサイズ」にしてやるとよい。フォントの埋め込みが行われないので、それらをチェックする目的には向かないが、参照するだけであればまったく問題ない。
既に手元にあるPDFを転送するのであれば、Adobe Acrobat XI Proでファイルを開いた状態で[ファイル]→[その他の形式で保存]→[サイズが縮小されたPDF]を選択する。Acrobatのバージョンによる互換性を選ぶ画面が表示されるので、なるべく新しいバージョンを選んでやることで、ファイルサイズを大幅に削減できる。
ただし、サードパーティ製のスマートフォン/タブレット向けPDFビュアーは、どのバージョンまでの互換性を保持しているかが分かりづらい。よって閲覧時にレイアウトが崩れているような場合は、アドビ純正のAcrobatアプリの最新版を使うのが無難だ。
もう1つ、フォントやレイアウトなどの見た目を維持したままスマートフォンやタブレットで参照する場合には、「Webとモバイルに最適化」という機能がある。こちらは先ほどの方法とは異なり、異なる閲覧環境でも見え方が変わらないようにカラーがsRGBに変換されるほか、フォントも埋め込まれる。
PDFの内容によってはファイルサイズがむしろ大きくなることがあるが、フォントも埋め込まれた状態での見え方やレイアウトをチェックしたい場合はこちらを選ぶのが正しい。用途によって使い分けるとよいだろう。
ビジネスの各シーンで利用するPDFファイル。このドリルを練習して、PDFを上手に活用できれば業務効率が向上し、コストの削減ができるはず! さらに、ビジネスのいろいろな問題も解決できるかもしれませんよ。
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