【オフタイム編】通勤時間を使ってプレゼン上手になる!岩淺こまきのオン/オフで使えるプレゼン術

プレゼン、上手くなりたい! でも、練習している時間がない……。今回は、そんなビジネスパーソンのために、通勤時間にできるプレゼンテク向上術をご紹介します。

» 2013年08月23日 11時00分 公開
[岩淺こまき,Business Media 誠]

岩淺こまきのオン/オフで使えるプレゼン術

 プレゼンテーションが苦手だと思っている人、ちょっとしたコツを知っておくだけで、プレゼン上手になれるのをご存じですか?

 この連載では、プレゼンテーションスキルを磨くためのテクニックをご紹介します。といっても、ただ、ビジネスに役立つテクニックを紹介するのでは面白くないので、私生活で役立つテクニックも合わせてご紹介することにしました。

 金曜日にはオフタイム(私生活)で役立つプレゼン術、月曜日にはオンタイム(ビジネス)で役立つプレゼン術を公開します。


 もっとプレゼンがうまくなりたい、という話をよく聞きます。「たくさん練習すればいいじゃない」と言いたいところですが、忙しくてなかなか時間がとれない方も多いかと思います。そこで今回は、いきなりのプレゼンでも焦らずにすむよう、ちょっとした時間でできるプレゼンテクニック向上のための練習法をご紹介します。

他の乗客から学ぶ

Photo

 これを読んでいるあなたが、通勤時間で電車に揺られているのなら、今が練習のチャンス。周りの人の会話に、耳を傾けてみて下さい。話がうまい人、下手な人、いろいろなプレゼンがありませんか? なぜ上手なのか、なぜ下手なのかを観察してみてください。

 他人の会話を聞いていると、いろいろなことが分かります。これをただ、聞き流すのではなく、「この人たちは同僚同士かな? 話し手が相手を引き込むのがうまいのは、相手の興味に沿った話題を提供してるからだなぁ。話し手側は、“このあいだ、君が始めたって言ってたダイビングなんだけどさー”と、相手が前回出したであろう話題を選んでいる。相手は「覚えていてくれたんだな」と、うれしい気分になるだろうし、元々興味のある話題だから、会話が弾むんだな」という風に分析してみたり、「こっちの男女は先輩・後輩かな。盛り上がってないな……。男性が先輩みたいだけど、会社の文句や他人の悪口ばっかりじゃ、女性社員も引くだろうなぁ。もう少し建設的な話をすればいいのに……。私なら、どう話題を変えるかな」と考えてみたりするといいでしょう。

 すると、どのような話題だと盛り上がれるのかが分かるようになり、雑談力を高めたり、アイスブレークを考える時に役立ちます。

車掌さんから学ぶ

Photo

 車掌さんのアナウンスにも、プレゼンのヒントが隠れています。車掌さんが乗客にプレゼンするのは、主に駅名や注意事項などです。どの車掌さんも基本的には同じことを言ってるにも関わらず、感じのよい車掌さんと残念な車掌さんに分かれます。これはなぜでしょう。

 まずは「駅のホームで走らないこと」を伝えるアナウンスを考えてみましょう。例えば「ホームで走らないでください」というシンプルなアナウンスで終わってしまうと、人は聞き流してしまいがちです。決まったセリフを決まったとおりに伝えただけでは、なかなか人の注意を引くことはできません。人を動かすには、相手が納得できる理由を述べるとよいのです。

 先日、某路線で「いいなぁ」と思ったのは「ホームで走ると、周囲にぶつかり、相手に思わぬ怪我をさせてしまいます。ホームは歩いて移動をしてください」というアナウンス。走ってはいけない理由を、「自分が危ないから」という視点ではなく、「相手が怪我をする」という視点で説明しているのです。走っている当の本人は、元気な人が多いものですが、「周囲はそうではない」ことを印象づけ、傷害事件に発展する可能性も示唆しています。

 また、最後のリクエストが、肯定文で終わっているのもポイントです。絶対走らないで下さい、という否定文で終わってしまうと、“じゃ、どうしたらよいの?”と一瞬、抵抗を感じる人もいます。そこを肯定文で説明することで、すんなりと“歩けばよい”と伝えています。これらの「理由を説明する」「肯定文で説明する」というところは、ビジネスのプレゼンでも使えます。

広告から学ぶ

 車内に掲載されている広告の類いからも、たくさんのことを学べます。そもそもプロが作った広告や張り紙ですから、自分のプレゼン資料を作る際に、参考資料として活用できるのです。ただ、中には「何を伝えたいのか、分かりにくいな」と思うものもあるのではないでしょうか。こうした広告が出てきた時こそ、チャンスです。頭の中で、資料をブラッシュアップして、「この資料で伝えたいことは何なのか、どうすればより伝わりやすくなるのか」を、通勤時間中に考え抜くのです。「短い時間でも集中して、自分なりの答えを出す」「行きに1本、帰りに1本、自分なりの広告案を考える」などといった自分ルールをつくって、取り組んでみるのもお勧めです。1カ月も続ければ、スキルが付いてきたことを実感できます。

 人は学ぶ気があれば、どこでも、何からでも学べるものです。ぼーっと通勤時間を過ごすのもよし、意識を持って過ごすのもよし。正解はありません。今日の自分に合った過ごし方を選択してくださいね。

著者プロフィール:岩淺こまき

Photo

 グローバルナレッジネットワーク株式会社 人材教育コンサルタント/ヒューマン・スキル講師

 大手システム販売会社にて販売促進、大手IT系人材紹介会社にて人材育成、通信キャリアでの障害対応、メーカーでのマーケティングに従事。さまざまな立場でさまざまな人と仕事をし、「ヒューマン・スキルに長けている人間は得をする」と気づく。提供する側にまわりたいと、2007年より現職。IT業界を中心に、コミュニケーション・ファシリテーション・リーダーシップ、フォロワーシップ、OJT、講師養成など、年間100日以上の登壇及び、コース開発を行っている。

日経BP「ITpro」で、マナーに関するクイズ形式のコラムを連載中。



banner

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ