給料よりも大切なものずっと「安月給」の人の思考法(2/3 ページ)

» 2013年08月29日 11時00分 公開
[木暮太一Business Media 誠]

高収入の仕事に就きたいと考えるのは自然なことだが……

 企業が利益に重きを置いてビジネスをしなければいけないのと同じように、個人はこの「自己内利益」に重きを置いて仕事をしなければなりません。

 仕事を選ぶとき、「売上(給料)」を気にするのは自然なことなので、高収入の仕事に就きたいと考えるのは悪いことではありません。

 ですが、その「高収入」を得るのに、どれだけの「費用」がかかるか、考えていますか? 転職エージェントの人材募集広告には、「年収1000万円以上のハイクラス求人!」などの高収入をうたう訴求がされています。しかし、その募集案内の中に「この仕事がどれだけ大変で、毎日どれだけの体力的、精神的エネルギーを費やさなければいけないか」は書いてありません。

 「年収○○万円が目標」と口にする人は多いですが、本来それはまったく意味がありません。「利益」を目標にしなければいけないからです。年収しか見ていないから、転職して年収が上がったのに、かえってしんどくなる、ということが起こってしまうのです。

 仮に年収が1.2倍になっても、忙しさが2倍になっていたら「利益」は減ってしまいます。いつまでたっても楽にならないと感じるのは、「自己内利益」が増えていないからです。

 いくら収入が多くてもそれ以上に「費用」が大きければ、「自己内利益」は赤字になります。

 企業は赤字のビジネスをやらない(やめる)と判断をしますね。それと同じで、個人も「自己内利益」が赤字の仕事は「やらない」と判断すべきです。

 「働いても働いても楽にならないのは、収入が少ないからだ」と考えていたかもしれませんが、そうではありません。「赤字」の働き方だから、楽にならないのです。

 労働者にとって給料は大事です。しかしそれ以上に自己内利益が大事です。1人の人間として「自己内利益」を見つめ直した働き方、生き方をすべきではないでしょうか。

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