以上、4社4種のモバイルバッテリーをご紹介した。今回取りあげたのは一部の機種であり、同じメーカーが容量違いのモデルを出すのはほぼ当たり前の状況。機能やデザインはともかく、「もっと大容量なのがいい」「スマホ充電するだけだから小容量」といった選び方もできる。
ただ、この中からどれか1つを実際に買うというのはなかなか難しい。本稿の趣旨は「タブレット用のモバイルバッテリー選び」ではあるが、人が実際に生活していく中では「スマートフォンの充電にも使いたいな」「ゲーム機も持ち歩いているから、それも充電できれば」といったように、さまざまなニーズが同時に発生してくる。それらを1つの機種でカバーするのというのは、本当に難しい。
また持ち運びのしやすさという問題もある。万一の保険のために、毎日ビジネスバッグに250グラム超のモバイルバッテリーを入ておくのをためらう人もいるだろう。
容量、価格、持ち運びのしやすさがせめぎ合う中で、筆者が得た個人的結論は「モバイルバッテリーはあくまでも保険。フル充電には拘らず、5000mAh級の軽量モデルのバランス感がベター」というものだ。1つのモバイルバッテリーでタブレットをはじめとした機器を何でもかんでもフル充電させようとするのではなく、あくまでも“緊急時の予備”と割り切り、最悪20〜30%くらいバッテリー回復すればいいじゃないか、と、そんな考え方である。
試用した中では、個人的にはQE-PL203が気に入った。5800mAhの容量には軽く、Nexus 7-32Tの充電も難なくこなしていた。「毎日持ち歩く」ことを考えた場合は、QE-PL203くらいのサイズ感がギリギリに思える。
これらを総合して、まだモバイルバッテリーを1台も持っていないという人は、まず5000mAh級の製品を買ってみて、まず運用してみるのはどうだろうか。それで満足すればよし。状況によっては、さらに大容量な1万mAh製品の買い増しを検討するのが、懐にも比較的優しいだろう。買い増しによって仮に5000mAhの製品が余ったとしても、スマートフォン充電には十分すぎる容量のモデル。人にも譲りやすいだろうし、予備の予備として使えるはずだ。
最後に1つ注意点を。モバイルバッテリーは、使わずに放置していると、充電分がどんどん放電していく。フル充電した携帯電話やデジカメが、電源オフ状態で数週間〜1カ月程度放置すると、電源が入らなくなるのと一緒だ。
よって、モバイルバッテリーも1〜2週間程度をメドに、使っていなくても充電するようにしておこう。せっかく用意しておいたモバイルバッテリーがいざという時に使えなくて大慌て、なんて事態が起こらないようにしてほしい。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.