25歳一部上場のリブセンス、新本社は「働きやすさ」「清潔感」を追及ベンチャー企業オフィス100選【リブセンス編】(1/2 ページ)

業績の好調原因を単純に「移転による効果」は断定できないが、少なくとも相乗効果をもたらす1つのきっかけとして「新オフィス効果」もある。リブセンスの新本社から、そうした要素が見えてきた。

» 2013年10月17日 10時00分 公開
[オフィス通信]

「オフィス通信」とは?

ビルディンググループ

オフィスの移転・構築を通じて、すべてのオフィスワーカーの未来を創造するビルディンググループ。「オフィス通信」は、ビルディンググループが発行するオフィス環境の最新トレンドと、先進のワークスタイルを調査分析するオンリーワンの情報マガジンです。

本記事は「オフィス通信」で掲載した記事を一部抜粋・編集して掲載しています。


 アルバイト求人サイト「ジョブセンス」、正社員求人サイト「ジョブセンスリンク」、派遣社員求人サイト「ジョブセンス派遣」、賃貸情報サイト「door賃貸」など、インターネットメディア運営事業を手掛けるリブセンス。同社は2006年2月、当時大学1年生だった村上太一氏の手によって設立された。

 2011年12月には東証マザーズへ上場、それからわずか10カ月後の2012年10月には東証一部へ上場を果たした。村上氏は25歳のうちに一部上場を果たし、これは東京証券取引所の最年少上場記録となっている。2013年1月、同社は本社オフィスを、目黒駅から徒歩2分の距離にある品川区上大崎の「新目黒東急ビル」へ移転した。大学の1室で起業したときから数えて5つ目のオフィスだという。

物件探しのMUST条件は「ワンフロア400坪以上」

 「以前のオフィスは渋谷にありましたが、今回の移転に際しては『ワンフロアで400坪以上確保できる物件』という条件をMASTとして探すことにしました。ところが、渋谷でワンフロア400坪以上という物件はほぼ皆無という状況でしたので、候補地の範囲を少し拡げて恵比寿・代々木・目黒の周辺で探すことにしたのです。すると、こちらの『新目黒東急ビル』がちょうど建築中だという情報を聞き、見学させていただいたところ、非常に設備が充実していて働きやすそうだということで決定しました」(村上氏)

 また、建築途中のビルということで、内装工事で大掛かりなコンセプトデザインを導入することができたという。そのこだわりは、エレベーターから降りてエントランスを一目見た瞬間に伝わってくる。


どこまでも続く白壁がコーポレートカラーを強調するエントランス(左)、台形にくり抜かれた白壁を通過させ、来訪者を幻想的な空間へ誘う(右)

ビジョンを具現化したロゴマークとモニュメント

 同社のコーポレートカラーは「水」のブルーだというが、エントランスの周囲の壁はロゴマークを除いて全面がホワイトで統一されている。これは何もエントランスだけでなく、同社のオフィス全体がこのようにホワイトを基調にして、ところどころにコーポレートカラーのブルーを散りばめた、清潔感あふれるイメージとなっている。取材当日の村上氏のネクタイの色もコーポレートカラーに合わせた鮮やかな水色であった。

 「当社のロゴマークは、『当たり前を、発明しよう。』というビジョンに基づき、2つの意味が込められています。1つは『?』=クエスチョンマークで、いろいろなことに対して疑問を持ち、考える習慣を持とうという意味。もう1つは『しずく』で、これは『雨だれ石を穿つ』を意味し、地道な努力を継続することの尊さを表しています」(村上氏)

 このように言葉にすると、生真面目で堅苦しいイメージがあるが、村上氏はこれを、大変ユニークな手法で従業員や来客に対して「具体的に」目で見て伝わるシンボルを考え出した。それが、エントランスのゲートをくぐり抜けた真正面に配置されている、シルバーと大理石を組み合わせたモニュメントである。

 「『雨だれ石を穿つ』というイメージを具現化することで、私たちの掲げるビジョンをお客様だけでなく、社内の人間に対しても『目で見て』理解していただけるようなシンボルとして考えました。天井に水を這わせ、一定間隔で水滴が落ちてくるごく単純な仕組みですが、重力に逆らって水を上げるのには予想以上に苦労しました(笑)」(村上氏)


創業の理念を体現した「雨だれ石を穿つ」大理石のモニュメント(左)、象徴的な意味が込められた全面ガラス張りのミーティングルーム(右)

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ