25歳一部上場のリブセンス、新本社は「働きやすさ」「清潔感」を追及ベンチャー企業オフィス100選【リブセンス編】(2/2 ページ)

» 2013年10月17日 10時00分 公開
[オフィス通信]
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徹底して改善をくり返したオフィスへのこだわり

 「オフィス作りに関しては、創業当初からずっとこだわってきたつもりです。もっとも、初めのオフィスのときは、お金もなかったので大学からもらえるものは全部もらっていましたが……その次に高田馬場の雑居ビルに構えたオフィスからは、什器等にもできるだけお金をかけて、長く使えるしっかりした良いモノをそろえていくようにしました」(村上氏)

 村上氏のオフィスへのこだわりは、単に目新しいツールを導入したり、奇抜なデザインを採り入れたりするような、見た目だけに捉われたものではない。一見すると奇抜に思えるような派手な見た目であっても、その導入目的や使用実態はオーソドックスなまでに実用本位であり、ストイックな生真面目さを感じさせる。

 例えば執務エリアの一部は周囲の壁を全面ホワイトボードにしているが、これは少しでもアイデアが生まれやすいようにとの狙いであり、また「ポニョ」と呼んでいる多彩なカラーのボール型の椅子は、持ち運びが容易なため、社内のどこにでも移動してコミュニケーションを活発化できるようになっている。


管理部門のエリアは、セキュリティ確保のため壁で仕切られている(左)、対角線上の相手と視線がぶつからないよう工夫されたデスクの配置(右)

 「『話しやすい空間作り』には特に力を入れています。執務エリアの通路の中央にUSM Haller製の収納BOXを重ねて置いていますが、これは収納用であると同時にミーティング用にも使われています。以前はすべて2段積でしたが、高さ的にスタンドミーティングにちょうどいいということで3段積も増やしています」(村上氏)

 さらに、コミュニケーション強化のために導入されたのが「ルームゼロ」と呼ばれる勉強会用のスペースや、向かい側にある「ミーティングブース」などである。

 「『ルームゼロ』はその名の通り、ゼロの状態から思考し、会社理念が生み出せる環境作りを目指し、壁全面がホワイトボードになっています。また、『ミーティングブース』は極めて話しやすい空間だということが心理学的に立証されており、従業員からも好評です」

移転からわずか半年余りで人員・業績が約2倍に成長

 移転計画の立案当時、同社の従業員数は正社員・アルバイトを含めて80人前後であったという。それが、移転から半年余りが経過した2013年7月末の本誌取材時点では、同じく正社員・アルバイトを含めて150人前後と、約2倍近い増員となっている。

 「積極的に人を増やしていこうという意図のもとに増員したというよりは、事業を拡大したい狙いがあって、その過程で人手が足りなくなり、自然に人が増えていったという感じです。増員に伴い、平均年齢が少し上がって30歳くらいになり、私より年上の社員ばかりになってきましたね(笑)」(村上氏)


通路中央の収納BOXでスタンドミーティング。手前は「ポニョ」(左)、執務エリアと透明なガラスで仕切られた開放的なフリースペース(右)

 増えたのは従業員数ばかりではない。8月14日付で同社が発表した2013年12月期(第8期)の第2四半期決算資料によると、同年上半期(1〜6月期)の単独税引き利益は前年同期比で68%増、営業利益は同64%増となり、売上高と求人情報サービスのユーザー数は約2倍に増えている。こうした業績の好調原因を単純に「移転による効果」とは断定できないが、少なくとも相乗効果をもたらす1つのきっかけとして「新オフィス効果」もあるのではないだろうか。


執務エリア(右)


応接室兼会議室はガラスを多用し、清潔感を演出する(左)、従業員からの人気が高い「ルームゼロ」と「ファミレスブース」(右)

※本記事は、オフィス通信で掲載された記事を一部修正し、転載したものです。(執筆:浦上史樹)

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