常に目標達成できる“集中スパイラル”はどうやったら身に着く?トップ1%だけが実践している集中力メソッド(2/3 ページ)

» 2013年10月22日 10時00分 公開
[永田豊志,Business Media 誠]

1.Simple=余分なものを捨て、シンプルに

 集中することは、「捨てる」ことです。いくつもの中から1つ1つ集中していくのではなく、ほかのものをすべて捨ててしまうから、残った目の前のことに集中できるのです。少なくとも集中が苦手という人は、ほかの選択肢を残したままにしないこと。自分のやるべきことを厳選して、ほかのことは勇気をもって捨て去らないと集中体験はスタートできないのです。

 例えば集中するときには、視界に余計なものを入れてはいけません。集中したい対象以外はすべて机にしまうか、視界の外に排除します。できれば物理的に廃棄したいものです。私はもらった書類は容赦なく、ゴミ箱へポイです。その代わり、全部スキャナでデジタルデータにしています。

 物だけでなく、情報もそうです。余計な情報に接触しないことは重要です。世の中の情報に対して感度を高くしておきたいと思って、むやみにいろんな情報に触れるのは良くありません。情報量と成果には関連性はないのです。

 私に限らず人間たるもの、その処理能力は限られています。だからこそ、私たちはもっと目の前の仕事に没頭しなければなりません。その時は、必ず同時に1つだけ、です。これを心掛けましょう。

2.Small=小さく達成しやすいゴール

 一度きりの人生、目標はなるべく高く持ちましょう。しかし、集中するために今日の目標は最初からできないと思えるような目標は立てるべきではありません。もっと身近で達成可能なレベルにすべきです。将棋の羽生名人も初心者のころは、低い階級から勝ち進むことでモチベーションを保ちつつ、技を磨いていきました。最初からプロになる、名人になるという高すぎる目標だけだと目の前のことに集中できません。皆さんも、目の前のタスクに集中するためには、まずタスク自体をシンプルにして、達成しやすいものにすることです。

 例えば数カ月に渡るプロジェクト。やるべきことは山ほどあります。しかし、細分化していけば1つ1つのタスクは敷居の低い、すぐに達成できるものばかりにできるはずです。リストをまとめる、アポイントをとる、損益シミュレーションを作るといった細かい「作業」に分解できるはずです。

 また、難しい資格を取得するとか、何らかの高度な技術を身に付ける場合も同じです。今日やるべきことを1つ1つは、何ページ分を読破する、このテーマをノートにまとめる、熟練者の作業をまねして部分的にやってみるといった小さな目標に分解できるはずです。

 ゴールを小さくすると達成する可能性は高くなります。例えば1日1時間勉強するのではなく通勤の15分集中してやる、1日1時間早く起きるではなく15分目覚ましを早くセットする、1日1時間運動するのではなく15分散歩する。どんなに大きな目標でも、小分けにしていけば難なくこなせるものです。

 やがてそれは習慣となり、意識せずとも継続できるようになります。そしてその向こうには驚くべき成果が待ち受けているのです。それが分かっていたからこそ、イチロー選手はかの名言を語ったのだと思います。

 「小さいことを重ねることがが、とんでもないところへ行くただ1つの道」

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ