マンガ『ONE PIECE』に学ぶ、ベンチャー起業の理想型世界を変える80年代生まれの起業家(1/2 ページ)

16歳で単身渡米し、21歳で米国で起業。現在、スタートアップ起業家を支援するネットワークを運営する伊地知天さん。インタビューの前編では、全てを自分でやろうとせず、必要なら他人の力を借りてチームにするという心構えの必要性について聞きます。

» 2013年10月24日 11時00分 公開
[山口哲一,Business Media 誠]

集中連載「世界を変える80年代生まれの起業家」について

 本連載は、山口哲一氏著、書籍『世界を変える80年代生まれの起業家』(SPACE SHOWER BOOks)から一部抜粋、編集しています。

日本を活性化させるのは、80年代生まれの起業家だ!

国内の雇用環境の激変を背景に、若者の職業選択は大きく変わろうとしている。自己実現を1つの手段として、生き方として、新たに自らサービスを創造する「起業という選択」が注目されている。

本書では社会に新たな価値を提示し果敢に挑戦をし続ける、注目の80年代生まれの起業家10人に焦点をあて、彼らの起業動機やサービスのコンセプト、事業のあるべき姿、将来や人生の目標などをたずね、彼らの真の姿を浮彫りにしながら、起業という「もう1つの生き方」を提案。

シューカツの社会的矛盾と起業という選択肢の価値を問う。


スタートアップ企業を支援するベンチャーをつくった理由

 21歳で米国で初めて会社をつくって以来、日米で数々の起業を行ってきました。日本の経済を強くするため、日本人の潜在力を生かすために、スタートアップ起業家を支援してネットワークをつくり、大企業とも結びつけるような仕事をしたいと思って、crewwを創立しました。

プロフィール:

伊地知天(いちじ・そらと)

creww(クルー)株式会社 代表取締役

16歳で単身渡米。2005年カリフォルニア州の大学在学時、21歳でアメリカにて起業。

その後7年で米4大ネットワークの1つであるFox社をはじめ、600社を超える世界中の企業のWeb戦略をサポート。アメリカでの事業売却やフィリピンでの起業を経て、2012年自身4社目の会社となるcrewwプロジェクトを開始し同年8月に法人化。その後ベンチャーキャピタルから出資を受け現在サービスを拡大中。


日本の起業率は先進国で一番低い

 日本の起業率が、先進国の中で圧倒的に低いのを知っていますか? 下のグラフを見てください。2012年度のデータでは中国と米国が12.8%、英国は9%、韓国6.6%、ドイツ5.3%、フランスは5.2%、日本は4%程度しかありません。教育や経済の力では、世界のどの国と比べても劣っていない日本が、起業する人が少ないのは非常に問題だと僕は思っています。

Total early-stage Entrepreneurial Activity(出典:GEM)

 日本の経済力がアジア諸国に追いつかれ、抜かれようとしている。人口も減っている中で、このままではヤバいというのが、crewwを始めようと思った原点です。次世代の日本経済のためにも、日本からイノベーションを起こす必要があります。

 そのために、挑戦したいという人が挑戦できる環境をつくらないと、これからの日本は危ないです。日本が成長していくためには、社会を変えるようなイノベーションを起こす人が出てこなくてはいけないし、そういう人を支えなければいけない。本来は政府がやるような仕事なのかもしれませんが、なかなか始まらないようなので僕らがやってやろうと思いました。

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