PDFに埋め込まれた作成者名などの情報をまとめて削除するにはビジネスの悩みを解決するPDFドリル

PDFの作成者名や変換前のファイル名など、外部に見られては格好がつかない情報がPDF内に残存していないかどうかをチェックする方法を紹介する。手動実行だけでなく、PDFを閉じる際に自動的にチェックが実行される設定方法も合わせて紹介する。

» 2013年10月28日 09時00分 公開
[kizukiBusiness Media 誠]

 社外とPDFのやりとりをする機会が多い人にとって、外部に見られては格好がつかない情報がPDF内に残存していないかどうかは、なにかと気を使うものだ。例えば他の取引先への提案書を流用したことがあからさまに分かるファイル名が提案書のプロパティに書かれていたり、あるいはプロジェクトに関わっていないスタッフの名前が作成者として記されていたりすると、取引先からの信頼が低下するのは必至だからだ。PDFへの出力時に自動的に埋め込まれる場合も多いだけに、ケアレスミスも起こりやすい。

PDFファイルのプロパティ。タイトルや作成者の欄に、外部に見られるのが好ましくない情報が埋め込まれている場合がある。この欄は目視で確認できるのでまだいいが、ほかにも目視では見つけにくい非表示情報が埋め込まれている可能性はある

 もし、これら作成者名などの情報のチェックを目視に頼って行っているのなら、Adobe Acrobat XI Proの「非表示情報を検索して削除」を使うようにするとよい。この機能を使えば、PDFに含まれる作成者や変換前のファイル名といったメタデータはもちろん、トリミングしたあとに残った非表示領域や注釈のデータなど、目視では見つけにくい情報も根こそぎスキャンしてリストアップし、削除するか否かを尋ねてくれる。あとは必要に応じて削除を実行するだけで、うっかりこれらの情報が残ったまま社外に出てしまうことを防げるというわけだ。


こうした場合はAdobe Acrobat XI Proの「非表示情報を検索して削除」を使うとよい。まず「表示」→「ツール」→「保護」でツールパネルウィンドウを開く(左)ツールパネルウィンドウで「非表示情報を検索して削除」を実行すると検索が行われ、残存している非表示情報がリストアップされる。それぞれの項目を展開すると情報の詳細が見られるので、削除したい項目にチェックを入れて削除を実行

 もっとも、この「非表示情報を検索して削除」についても、実行するのをうっかり忘れてしまっては意味がない。こうした場合は環境設定で「文書を閉じるときに非表示情報を検索して削除」の項目にチェックを入れておくとよい。そうすれば、PDFを閉じる際に非表示情報が検索され、何らかのデータが残っていればアラートが表示されるようになる。営業や広報など、対外的にPDFを公開することの多い職種では、必須の設定だといえるだろう。

削除完了後のプロパティ。タイトルや作成者といったメタデータが削除された

PDFファイルを閉じるたびに非表示情報を検索できるようにするには、「編集」→「環境設定」を開き、「文書」の中にある「文書を閉じるときに非表示情報を検索して削除」にチェックを入れておく(左)非表示情報が残存していると、PDFファイルを閉じるたびにこのようなアラートが表示されるようになる。「情報を削除してからこの文書を閉じる」を選ぶと、「非表示情報を検索して削除」の操作画面が表示され、削除を実行できる(右)

連載「ビジネスの悩みを解決するPDFドリル」とは

 ビジネスの各シーンで利用するPDFファイル。このドリルを練習して、PDFを上手に活用できれば業務効率が向上し、コストの削減ができるはず! さらに、ビジネスのいろいろな問題も解決できるかもしれませんよ。


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