プレゼンの出来を左右する朝の習慣明日から「朝型人間」になる!

もし早起きができていたらぜひやってみたいと思っていた「あること」がありました。それは……?

» 2013年11月05日 08時00分 公開
[美波紀子,Business Media 誠]

『明日から「朝型人間」になる!』について

 典型的な夜型人間だった著者。心機一転、朝型生活に挑んだ。試行錯誤のうえ見つけたのは、とっても簡単な早起きメソッド。その日を境に、毎朝6時起き。しかも半年で体重12キロ減、体脂肪率10%減という効果も! 風邪やインフルエンザにもかからず、いいことずくめ。本連載ではシンプルな早起きの方法を紹介するとともに、早起きがきっかけで舞い降りた数々の幸運の事例も紹介する。

 この記事は2012年7月19日に発売されたソフトバンククリエイティブの『明日から「朝型人間」になる! リバウンドなし! 人生が好転する早起きメソッド』(美波紀子著、新書)から抜粋、再編集したものです。


 私がまだ夜型人間だったとき、もし早起きができていたらぜひやってみたいと思っていた「あること」がありました。

 例えば仕事でプレゼンテーションをする日、朝にそれをした場合としなかった場合とでは結果に大きな差が出ることを痛感しています。それをした場合は声がよく通り、適切な言葉がスラスラと口から出てきて自分がまるでプレゼンの名手ででもあるかのような気がしてきます。

 一方、それをしない場合は声に力がなく、言葉を言いよどみ、数字はあいまいで話は横にそれてばかり……。何を言いたいのか自分でも分からなくなる始末。身振り手振りがだんだん大きくなって、私のプレゼンを聞いている人の困っている様子が伝わってくるほどです。

 プレゼンが終わった後、ちょっとだけでも「あれ」をしておけばよかった、と悔やんでも後の祭り。また1つ辛い思い出が増えるのです。ちょっとだけでもしておけば必ず効果があり、しなければ絶対に後悔する「あること」とは、新聞記事の音読です。

朝の音読でとっさの言葉が出やすくなる

 ある時、出版社の会議室で社長や編集長を前に私が新刊本の企画案をプレゼンすることになりました。テーマは「人に頼らない女性の生き方」。新しい要素や情報を盛り込んだ企画書を準備して、我ながら面白い視点を見つけたつもりでした。

 当日、意気揚々とプレゼンに臨んだところまではいいのですが……。プレゼンの中で「気持が?緩(緩む)のと、気持を自由にしていることとは違う」ということを説明しようとしたとき、「あれ? ?緩の読み方はシカンだったかしら、チカンだったかしら」と迷ってしまいました。

 確かシカンだと思うけど、チカンの気もする……などと頭の中が混乱し、結局しどろもどろになりながら、小さな声で「シカン」と言ったのですが、それで正しいのかどうかが気になって、その後、スムーズに話せなくなりました。

 と、ここまではまだ良かったのです。私の発言が終わると編集長が口を開きました。「なるほどね。気持ちのチカンは体調が崩れるきっかけにもなりますよね。数年前、私の母は……」

 チカン? 編集長が話をしている間、私の頭の中は真っ白でした。やっぱり、チカンだったんだ。シカンじゃなかった。ライターのくせに、こんな漢字もちゃんと読めないの? とさげすまされているかと思うと、編集長の提案も社長のお言葉も耳に入ってこなくなりました。

(※)「弛緩」:読み方は、「シカン」(慣用読みで)「チカン」、どちらも正しい読みとなります。

 ああ、恥ずかしい。漢字が並ぶ熟語や成句を目にすることは多いのですが、普段の会話でそういう言葉を使う機会はあまりありません。でも、プレゼンテーションの場では、ちょっと堅い言葉や言いまわしを挟むと、端的に通じたり、スマートな表現ができます。結果的に使いたい、という気持ちをいつも持っています。その時に役立つのは、朝の新聞記事の音読なんですね(次回、「朝、声に出して読んでおく」)。

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