最高の「スローライフ」が仕事を研ぎすます――UZABASE 梅田優祐氏の“自由な生き方”(1/2 ページ)

豊かな自然に囲まれ、晴れた日には富士山も望める神奈川県葉山町。第一子の誕生を機に、この町に転居したのが、成長著しいスタートアップ「UZABASE」代表の梅田優祐氏だ。同氏が実践する理想の働き方、ライフスタイルから新しい生き方の可能性を探る。

» 2013年12月03日 11時00分 公開
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 あらゆるビジネスにおける情報インフラ「SPEEDA」、経済情報に特化したニュースキュレーションサービス「NewsPicks」で注目を集めるUZABASE。代表の梅田優祐氏は、3年ほど前、第一子の誕生をきっかけに神奈川県の葉山町に転居。葉山からオフィスのある青山まで、約2時間かけて通勤する生活にシフトしたという。

 以前は、職場の目と鼻の先で暮らし、寝る間を惜しんででも働いていた梅田さん。生活を180度変える“理想のライフスタイルへの挑戦”だったわけだが、改めて振り返ってみて「人生最高レベルの好選択だった」と語る。

 なぜ、葉山での暮らしを選んだのか? 実際にどのような生活を送り、働いているのか?

 仕事と同じようにライフスタイルも重視していく――。そんな新しい生き方の可能性を探るべく、梅田さんにインタビューした。

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仕事だけではない、理想のライフスタイルを追求する

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―― 3年ほど前、東京から葉山に住まいを移したと伺いました。そのきっかけから教えてください。

梅田優祐氏(以下、梅田氏): 起業して「とことんやっていこう」という仕事が見つかったので、次は「仕事以外の幸せって何があるんだろう?」と考えていたのですが、その中で、自然の中で子どもを育てたいなぁという気持ちがありました。

 もともと私自身が田舎で育ったこともあって自然が大好きだし、幼いころを思い出しても、すごく幸せだったんですね。だから、自然の中で家族と暮らせたらどんなに楽しいだろうと。少なくともビルが立ち並ぶ東京の埋立地で子育てするという選択肢はありませんでした。

 きれいな海や山にかこまれて、のびのびと家族で暮らす。ちゃんと子どもたちとの時間をとって、家族で夕飯を食べて、いい波がきた休日は趣味のサーフィンも楽しみたい(笑)。自分の幸せは仕事だけじゃない。全部を叶えよう――。そんなシンプルな感情があったんです。

 それで、家を探し始めて、葉山にあった築70年の古民家に一目惚れしてしまって……。これはもう引っ越すしかない、と即決しました。

―― ちなみに、奥様の理解もすぐ得られたのでしょうか?

梅田氏: 私が驚くくらい、すごい乗り気でしたね(笑)。その古民家を見たときも「トトロの家みたい! 」と。奥さんの後押しもあったので、「とりあえず、やってしまおう」という勢いで転居することにしたんです。

 経営と一緒で、全く経験のないことに向き合う場合、考えれば考えるほど、メリットだけでなくデメリットもたくさん見つかってしまうもの。考えたところで、結局は決断に迷ってしまうわけですから。

仕事と生活、両方を妥協せず、高いレベルでバランスを取る。

―― 実際に生活を始めて、仕事と私生活は問題なく両立できたのでしょうか?

梅田氏: それが最初の3カ月は、正直後悔したんですよ。なかなか生活のリズムがつかめずに苦労しました。何も考えずに勢いでやってしまう自分の悪いクセが出た、と思いました。

 例えば、夜遅くまで仕事して終電で帰ると、駅からのバスは終わっているし、タクシーの数もすごく少ない。一台行ってしまうと、なかなか次のタクシーも来ないんです。

 最初はそんなことも知らないから、真冬の寒空の下でブルブル震えながら30分くらいタクシーを待ったこともありましたね。遅い時間の電車だと、乗っていた人たち全員が駅を降りた瞬間にタクシー乗り場に向かってダッシュするんですけど、その意味がよく分かりました。

―― タクシーの順番争いですね(笑)。今ではうまくいっているのでしょうか?

梅田氏: そうですね、もちろん例外的に遅くなることもありますが、夜のミーティングはほとんどいれず、18時くらいに会社を出て、20時くらいには家で家族とご飯を食べるようにしています。

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