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» 2013年12月26日 11時30分 UPDATE

ボクの不安が「働く力」に変わるとき:「褒めて育てる」ことの欠陥 (1/3)

同僚や部下など、周りの人を前向きに導くために「褒めて育てる」はとても大切です。しかし、1つ大きな欠陥があるのです。それは……?

[竹内義晴(特定非営利活動法人しごとのみらい),Business Media 誠]

竹内義晴(たけうち ・よしはる)

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 1971年生まれ。経営者、教師、コンサルタント、コーチ、カウンセラーなど、リーダー層を支えるビジネスコーチ。人材育成コンサルタント。

 自身がプレッシャーの多い職場で精神的に追い込まれる中、リーダーを任される。人や組織を育てるには、マネジメントの手法だけでは太刀打ちできないことを痛感。優れたリーダーたちが使う卓越したコミュニケーションスキルを学び、実践。チームの変革に成功する。実践の経験から、難しいコミュニケーションスキルを誰もが現場ですぐに使えるようにした独自の手法「トライアングルコミュニケーションモデル」を考案。実践的なコミュニケーション方法を伝えるコミュニケーショントレーナー。

 米国NLP協会認定NLPトレーナー、NPO法人しごとのみらい理事長。著書に『「職場がツライ」を変える会話のチカラ』(こう書房)、『イラッとしたときのあたまとこころの整理術―仕事に負けない自分の作り方』(ベストブック)がある。

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 この連載では、同僚を前向きに導くコミュニケーションスキルについて数回に分けてお話しています。前回の「心理的な『真の欲求』を引き出し信頼関係を作る問いのモデル」では、プロのコンサルタントやコーチ、カウンセラーでも難しい「問いかけ」のスキルをどう身に着けるかをお話しました。

 同僚を前向きに導くために必要なかかわりや会話の流れである「コミュニケーションU」については、「仕組みや制度だけでモチベーションは上がらない――社員を前向きに導くコミュニケーションの全体像」でお話しています。ポイントは、「相手に合わせ信頼関係を築く」と「望ましい姿に導く」の2つにあります。

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 今回は、コミュニケーションUの後半、相手を「望ましい姿に導く」方法についてお話します。

「褒めて育てる」の欠陥

 「それはすごいね」「よくできたね」――同僚や部下など、周りの人を前向きに導くために、よく「褒めて育てる」といいます。褒められるとモチベーションが上がると。

 「褒めて育てる」はとても大切ですが、1つ大きな欠陥があると考えています。それは、「褒められるような結果を出さないと褒められない」ということです。なぜなら、「褒める」には「うまくできた」という評価が含まれているので、「うまくできなかった」場合は褒められないのです。

 そこで、「結果ではなく、プロセスを褒めよう」という情報もありますが、いくらプロセスに目を向けても、「褒める」には評価が含まれている以上、「いいところ」がないと褒められることはありません。

 また同僚や部下が悩んだり、落ち込んだりして行動が停滞しているときは、褒めるポイントを見つけること自体が難しいです。

 このように、「褒めて育てる」も万能ではありません。さらに、日本人は褒めるのが苦手です。無理に褒めようとすると何となくわざとらしくなったり、よそよそしくなったりしますし、表面的な称賛は「テクニックでやっているな」というのがバレバレ。むしろ、相手との関係をギクシャクさせてしまうこともあるでしょう。

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