ある日突然やってくる「燃え尽き症候群」ストレスをためない技術(2/2 ページ)

» 2014年01月08日 11時00分 公開
[松島直也,Business Media 誠]
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ストレスと上手に付き合うための「3ステップ」

 ストレスとの付き合い方には3つの段階があると私は考えています。1つ目は「ストレスの正体を知る」こと。そもそもストレスとは何なのか。あなたはどんなときに、どんなものに対してストレスを感じているのか。その実体を客観的に知る必要があります。

 相手のことが分からなければ、付き合い方も分からない。当然の話です。ですから、まずはストレスの正体を知る。

 ストレスとの付き合い方の2つ目は「気持ちの整え方を知る」です。例えば自分自身の心と体を1台の車だと考えてください。すると、ストレス要因はデコボコ道というわけです。

 あなたという「車」は、きれいに舗装された道は快適に走れますが、デコボコ道を走ると、とたんに状態が悪くなり、不快に感じてしまいます。

 さて、ここでの問題は何でしょうか。舗装されてないデコボコ道? 確かにそうかもしれません。デコボコ道さえなければ、あなたは快適に走っていられます。世の中にストレス要因がなければ、快適に暮らせるかもしれません。

 ですが、デコボコ道に文句を言っても始まりません。世の中のすべての道がきれいに舗装されるなんてあり得ません。世の中にはあなたを苦しめるストレス要因(デコボコ道)は必ずあります。大事なのは、仮に道がデコボコでも、そこそこ快適に走れるよう「車」をメンテナンスすることです。

 自分自身という「車」のメンテナンスをする。言葉にすると簡単ですが、この意識を持っている人は意外に少数。多くの人は、デコボコ道に文句を言うか、デコボコ道を「どう乗りこなすか」ばかりを考えがちです。

 自分の状態を整える(車をメンテナンスする)ことなしに、ストレス要因(デコボコ道)に「どう対処しようか」と考えても、結果的に上手くいきません。無理な運転をして一時的にデコボコ道を乗り切ったとしても、知らないうちに車がダメージを受けているからです。

ストレスのない社会なんてつまらない

 ストレスとの付き合い方の3つ目は「自分の成長につなげること」。ストレスというのは必ずしも「悪い側面」ばかりではありません。

 考えてもみてください。もしこの世の中からストレスを完全になくせるとしたら、それであなたは幸せになれるでしょうか。

 私はそうは思いません。人は刺激がまったくなくては生きていけないのです。そもそも、世の中のすべての道が舗装され、常に順調に走れるなんて、つまらないと思いませんか。

 世の中にはデコボコ道もある程度必要で、そんな道をそこそこ快適に走れるようになることで、私たちは成長し、達成感を得る。私はそう思っています。

 本連載の基となった書籍『ストレスをためない技術』では、ストレスを遠ざけるだけでなく、あえて「ストレス環境に身を置くことの大切さ」まで語っています。それがストレスとのつき合い方の理想だからです。

 ストレスの正体を知り、自分という「車」のメンテナンス法を学べば、ストレスを過度に恐れる必要はなくなります。冒頭で述べた通り、「ストレスを解消する」のではなく「ストレスとの付き合い方を学ぶ」とは、そういうことです。

 本連載によってストレスの見方が変わり、ストレスとの上手な距離感をつかめるとしたら、そしてそのストレスさえも「あなたの成長」につなげられるとしたら、こんなにうれしいことはありません。

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