理由の部分は、所信表明の根幹となるため非常に重要です。これを作るには
という2つのアプローチが有効です。
前年を振り返る方法として、まずはやってきたことを書き出してみましょう。頭の中で思い返すだけでは、思い出したそばから忘れてしまうことも多いので、紙やPCのメモソフトなどに書き出し、可視化するのがポイントです。書き出す際に設定する軸はさまざまですが、一般的には
という切り口がやりやすいです。その上で、今年はどうすればよりよくなるか、何をトライすればよいかを考えます。この両者のアイデアを整理したものをテーマ(方向性)にするのです。
もう1つの切り口は入社の動機です。なぜこの会社に入ったか、この会社で何をしたいと思ったか。それが今、実現できているかを考えてみて下さい。できているかもしれないし、できていないかもしれない。とっくに目標を実現してさらに高次の動機で活動している人も、諸般の事情や現実の壁にぶち当たり「知らないから言えたことだった」と感じている人もいるでしょう。
今、どのような状態でも構いません。日々の業務で忙殺されると、初心をついつい忘れがちになります。所信表明は、動機を実現するために今年は何をするか、今の自分にそぐわないなら“どのように今年軌道修正するか”を、検討する材料になります。テーマや方向性を決めるのは、公私ともに充実した時を過ごすために大事なことです。新たな1年がはじまるこの季節を、上手に利用してみましょう。
グローバルナレッジネットワーク株式会社 人材教育コンサルタント/ヒューマン・スキル講師
大手システム販売会社にて販売促進、大手IT系人材紹介会社にて人材育成、通信キャリアでの障害対応、メーカーでのマーケティングに従事。さまざまな立場でさまざまな人と仕事をし、「ヒューマン・スキルに長けている人間は得をする」と気づく。提供する側にまわりたいと、2007年より現職。IT業界を中心に、コミュニケーション・ファシリテーション・リーダーシップ、フォロワーシップ、OJT、講師養成など、年間100日以上の登壇及び、コース開発を行っている。日経BP「ITpro」で、マナーに関するクイズ形式のコラムを連載中。
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