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» 2014年01月10日 11時00分 UPDATE

選ばれ続けるリーダーの条件:ファーストラインマネジャーは部下の成長で評価される (1/2)

ファーストラインマネジャーというのは、現場の社員を統括するマネジャーのことを言います。会社によりますが、日本企業の役職でいうと係長、課長あたりが相当します。今回は、ファーストラインマネジャーとセカンドラインマネジャーの違いについてお話します。

[山元賢治,Business Media 誠]

集中連載「選ばれ続けるリーダーの条件」について

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 本連載は、山元賢治著、書籍『選ばれ続けるリーダーの条件』(中経出版)から一部抜粋、編集しています。

グローバルの波の中で、仕組みや慣習もものすごいスピードで変わっていきます。日本企業のあり方や個人の働き方も、従来のままではいられない。刻々と変化する世界で、変わらず求められる真のリーダーの条件とは何か? 外資系トップ企業で30年活躍した経験を、次世代のリーダーに伝える1冊です。

アップル、オラクル、IBMやEMCなど、30年間外資系トップ企業で働き、ビジネス界の巨人と肩を並べてきた山元賢治氏が大切にするのは、誰からも「選ばれる」人が持っているルールです。

「選ばれる人は、目先のテクニックに走らず、もっとも守るべき“原則”を理解し、日々実践できるかどうかで決まる」

未来のリーダーを目指す人、リーダーとして頼られる人間になりたい人に読んでほしい1冊です。


ファーストラインマネジャーは部下の成長で評価される

 ファーストラインとセカンドラインマネジャーの違いを知っていると、ビジネスマンとしてのキャリアを俯瞰(ふかん)しやすくなります。

 ファーストラインマネジャーというのは、現場の社員を統括するマネジャーのことを言います。会社によって違いがありますが、日本企業の役職でいうと係長、課長あたりが相当します。

 一方、セカンドラインマネジャーはマネジャーを統括するマネジャー。部長以上の管理職が相当します。ファーストラインマネジャーの部下はほとんどが組合員ですが、セカンドラインマネジャーの部下は会社側の人間です。

 オーナー会社の社長の息子などは違うこともありますが、通常、ファーストラインマネジャーを経験しないでセカンドラインマネジャーに行くことはありません。ファーストラインマネジャーとしての責務をしっかりと果たすことが大切です。

最大の重圧と最高の楽しみのなかで仕事ができる

 私が29歳でIBMの課長職に就いたとき、ファーストラインマネジャーの研修で次のように言われました。

 「皆さん、ご愁傷様です。jail(刑務所)に行く可能性の最も高い役職に就かれたことをお喜び申し上げます。どうやったらjailに行かないで済むか、この3日間でしっかり勉強しましょう」

 思わずそのまま帰りたくなりましたが、現場の人間を直接管理するファーストラインマネジャーは、それほどシビアな立場にいるということです。

 ひょっとしたら、ファーストラインマネジャーをしている時期が人生で一番大変かもしれません。

 部下にはまだ力がついていないスタッフも大勢いますが、業績に関しては上から厳しく要求されます。弾がどんどん飛んでくるような最前線です。管理職に比べて部下の自己管理力が弱いので、職場に負のエネルギーができてしまったらそれを鎮めるのにものすごく時間がかかります。年齢的には結婚して間もないため、子どもは小さく、お金が必要。帰宅が遅くなりがちで、奥さん、または旦那さんに怒られることもしょっちゅうでしょう。

 そうした苦難の時期を乗り越え、ファーストラインマネジャーを抜けたとき、ほっとした感じが私にもありました。それほど重圧を感じるのです。

 しかし一番大変なのと同時に、ビジネスマンとして一番楽しいのがファーストラインマネジャーの時期かもしれません。

 現場の人間にとって、ファーストラインマネジャーは会社での親のような存在です。現場スタッフの直接の責任と、命令できる権限を持っているのがファーストラインマネジャーです。その分、間違ったことになると刑務所に行くことになるわけですが、これほど密な人間関係の中で仕事ができるのはファーストラインマネジャーならでは。

 私は、スタッフから本当に愛されるのはファーストラインマネジャーだけだと思っています。もちろん人気のあるセカンドラインマネジャーもいますが、それは責任を持ってファーストラインマネジャーをやった人が、その後も慕われているというケースがほとんどなのです。

育成は、マネジャーとして最大の腕の見せどころ

 現場の社員と直接対時して仕事をするファーストラインマネジャーに期待されているのは「部下をどれだけ成長させられるか」という、いわば育成力です。

 特に20代社員は伸び幅が大きく、大化けするほど成長することがあります。学生気分の抜け切らなかった社員が、5、6年経つと立派なビジネスマンになっていたりします。これは成長した本人の努力もありますが、成長を促したファーストラインマネジャーの手腕が評価の対象になります。

 また、部下の成長は外部の人も見ています。新入社員が外部にいい印象を与えても「御社はいい人材を採っていますね」で終わりますが、社員の成長が認められると「○○さんのところの彼は、最近しっかりしてきましたね」とマネジャーの名前で評価を受けます。

 ファーストラインマネジャーにとってこれほど嬉しいことはありませんし、部下の成長が自分の充実感につながるのがファーストラインマネジャーというポジションです。

 責任と達成感のいずれも感じられるポジションとして、自分のキャリアの1つの通過点と捉えてください。

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