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» 2014年02月06日 10時30分 UPDATE

ワークスタイル総研・伊藤です:プレゼンマスターの極意――プレゼンはライブ、「情熱と自信」でぶちかませ!

グロービス経営大学院で教鞭をとり、ソフトバンクアカデミアでは、あの孫正義氏を相手にプレゼンしているプラスの伊藤羊一氏。プレゼンマスターとして知られる同氏が“人をとりこにするプレゼンの極意”を伝授する。

[伊藤羊一,Business Media 誠]
誠ブログ

伊藤羊一氏プロフィール

プラス ジョインテックスカンパニー執行役員ヴァイスプレジデント。2003年 日本興業銀行からプラスに転じる。プラスでは、流通カンパニーにおいてロジスティクス企画、グループ事業再編、マーケティング・営業統括の責任者を歴任後、2012年11月より現職、事業全般を統括しながら、新規事業開発も担当。近年のテクノロジー進化などに伴うワークスタイル変革を取り入れたビジネス展開にチャレンジ中。

グロービス経営大学院講師、ソフトバンクアカデミア所属。将来、「ワークスタイル総合研究所」を設立するつもり。趣味はギター演奏や音楽鑑賞。


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 プレゼンはライブです! コンテンツは楽曲。プレゼンはライブステージ。バンドで演奏したり歌ったりするのと同じようなもの。演奏や歌のパワーで、聴衆をとりこにする。総立ちにさせる。ミュージシャンがファンをとりこにするように、僕らもプレゼンでオーディエンスをとりこにする。そんな気持ちで僕はいつもプレゼンに向かいます。人のプレゼンを聞くときも、「プレゼンターは僕をとりこにしてくれるだろうか?」と楽しみにしています。

 もちろん、人によっていろいろなパワーの出し方があり、人それぞれの個性もあります。セックス・ピストルズやローリング・ストーンズ、ニルヴァーナが異なる魅力を持つように、プレゼンも人それぞれの魅力を出せばいい。けれども、どんなスタイルのプレゼンターにも必要なのは、“その場を熱で包み込み、総立ちの観客をとりこにする”ことなのです。

 オーディエンスの反応は、「眠らず聞きました!」ではダメ。「聞いて、理解しました!」でも不十分。「聞いて、理解して、共感しました!」でも、まだ足りない。“プレゼンターに共感して「動く」こと”が、プレゼンの目的であり、ゴールなのです。

 どうすればプレゼンで人を動かせるのか――。僕が気をつけていることをご紹介します。

1.スッキリかんたん、分かりやすい

 いくらノリノリのライブ(プレゼン)をやったとしても、オーディエンスに聞いてもらえなければ始まらない。そのためには、プレゼンがスッキリかんたんであることが重要です。

 まずは、スライドにごちゃごちゃと文字やグラフを詰め込まないこと。スッキリ! が大原則です。使う文字は極力減らし、シンプルにします。

 次に、使う言葉が簡単であること。テレビのニュースは、中学生が分かるレベルで作られると聞いたことがありますが、プレゼンも同じ。僕は中学生でも分かる言葉を意識して使います。難しい言葉を使うと、オーディエンスは混乱し、その瞬間に、プレゼンが頭に入らなくなる。そのとたんに「はい、さようなら」――ということになるのです。

 分かりやすさも重要なポイント。注意すべきは表やグラフを活用するときです。数字が並ぶ表はグラフで表現できることが多く、多くの場合、表よりグラフのほうが分かりやすいものです。僕は可能な限りグラフを活用します。

 ほかにもオーディエンスが混乱しないよう、スライド内ではテーマやメッセージ、補足などを可能な限り同じ場所に配置します。そうすることで、スライドがぐっと分かりやすくなります。

 スッキリして分かりやすいプレゼンを作ると、オーディエンスは耳を傾けてくれます。

2.ストーリーがしっかりしていること。

 次に意識しているのは、“ストーリーをしっかり作ること”です。

 いきなりMicrosoft PowerPointやAppleのKeynoteでスライドを作り始めると、たまに“スライド間で話がつながっていない”という事態が起こります。

 例えば、「私は牛丼屋が好きです。だって、安いし、早いし、おいしいじゃないですか。みなさんも牛丼屋さんに行ってみてください! きっと好きになりますよ」というプレゼンがあるとします。話はつながってますよね。

 ところが、「私は牛丼屋が好きです。だって、安いし、早いし、おいしいじゃないですか。みなさん、ぜひご自身の好きな店に行ってみてくださいね!」と言われたらどうでしょう。これだけでは話がつながっておらず、言いたいことがよく分かりません。

 こうした事態を防ぐには、「●●だから、○○である」というように文章をつなげてみて、矛盾がないかどうかをチェックするのが有効です。

 例えば「禁煙したほうがいいよ。ご飯がおいしいし、朝シャキーンと起きれる。『禁煙セラピー』を読めばできるし!」というプレゼンがあるとします。このプレゼンを分解して、「ご飯がおいしいから、禁煙したほうがよい」「朝シャキーンと起きることができるから、禁煙したほうがよい」「『禁煙セラピー』を読めばできるから、禁煙したほうがよい」というように、ストーリーがつながっているか確認してみるのです。

 ストーリーがしっかりしたプレゼンを作れば、オーディエンスはより深くプレゼンを理解してくれるはずです。

3.「情熱と自信」で、オーディエンスにぶちかます

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 プレゼンで最も重要なのは、オーディエンスにワクワクしてもらい、実際に動いてもらうこと。そのために大事なのは「情熱と自信」です。

 「情熱がある」というのは、きっと「その対象のことを、一番好きになる」ことです。ローリング・ストーンズのミック・ジャガーは、世界中で一番「ジャンピング・ジャック・フラッシュ」を好きなはず。そうでなければ、あれだけ情熱的に40年以上も歌い続けられませんよね。

 好きなものだから情熱的に話ができるのであって、好きでもないものを人に勧めたところで、オーディエンスを動かせるはずがない。だから僕は、まずプレゼン対象を世界で一番好きになるようにします。

 「自信を持つ」ためには、「徹底的に準備すること」です。僕は、ソフトバンクアカデミアの選考で、孫正義校長に初めて5分間のプレゼンをするにあたり、300回練習をしました。さすがにそれだけ練習すると、どんなに緊張しても、自動的に言葉がスラスラと口から出てくるようになります。そこまでいけば、緊張せずに自信をもってプレゼンできるようになります。

 下手に練習すると、詰まった時にアドリブが効かなくなるからあまり練習しない――と言う人もいます。でも、突き抜けるくらいの量を練習すれば、詰まることがなくなるし、練習して慣れたらいくらでもアドリブが効きます。それを知っているから、僕は常に何回も練習します。

 プレゼンターが「情熱と自信」を持つことで、オーディエンスはワクワクし、プレゼンターの思う方向へ動いてくれることでしょう。


 最後に読者のみなさんにアドバイスを。ロックのライブといえば、やっぱり、「客席にダイブ」。これはプレゼンでも同じです。もちろん、本当にダイブするのではなく(笑)、そんな気持ちで自分をさらけ出すように「(精神的に)ダイブ」すると、オーディエンスは盛り上がります。前のめりにダイブするつもりでプレゼンすれば、きっといい結果が生まれますよ。

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※この記事は、誠ブログワークスタイル総研・伊藤です:プレゼンテーションの極意、3つのポイントより転載、編集しています。

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