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» 2014年02月10日 10時00分 UPDATE

一流の働き方:上に立つ者の条件とは (1/2)

世の中には、どんなに成功を収めても一流になれない人間がいる。そういうタイプの人間の特徴とは……?

[川北義則,Business Media 誠]

集中連載『一流の働き方』について

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 本連載は、2013年11月26日に発売した川北義則著『一流の働き方』(アスコム刊)から一部抜粋、編集しています。

 なぜあの人の仕事は、いつもうまくいくのか? 一流は困難なときこそ楽天的である。「忙しい」は、二流の口グセ。「努力」は、他人に見せたときに価値を失う。仕事ができる人は、孤独を恐れない――頭角を現す人にはこのような条件を持っている。

 本書は、人気ベストセラー作家が「頭角を現す人」の究極の仕事術を39の条件にまとめ語り尽す一冊。あなたも「あの人のようになりたい」といわれる人間になろう!


 一代で大変な成功を収めた人間を、何人も見てきた。親の事業を受け継いだわけでもなく、親から財産を受け継いで、それを元手に事業を興して成功したわけでもない。文字通り、身一つ、自分の才覚だけで事業を興し、世間で認められる成功を収めた人物だ。

 だが、事業で成功を収めたからといって、その人が一流の名にふさわしいかといえば、必ずしもそうではない。一流であるか、非一流で終わるか、あるいはそれ以下であるか、私が考えるポイントはただ1点。

 「自分の仕事の成功を他人が喜ぶか、そして、その他人が喜ぶ姿を見て、それを自分の喜びにできるか」

 世の中には、どんなに成功を収めてもこれができない人間がいる。こういうタイプの人間の特徴はこうだ。

  • 成功は自分1人の力だと思っている
  • 他人を決して信じない
  • 利益を配分しない
  • ビジネスパートナーという発想がない
  • 協力者に対する感謝の念がない

 私流にいわせてもらえば、これらに当てはまる人間は二流以下の経営者である。

 「そういえば、うちの社長がそうだな」「いま話題のあの人のことだな」――。誰でも、思い当たる人物が1人や2人、いるのではないだろうか。私自身、多くの人間関係の中でこういうタイプの経営者を何人も見てきた。こういう経営者が君臨する会社に足を踏み入れると、すぐに感じることがある。

 「暗い」

 何となく印象が暗いのだ。そして、そこで働いている人たちに活気がない。以前、付き合いのあった会社がまさにその典型だった。その会社では、働いている社員のほとんどが明るい表情を見せない。笑い声が聞こえることもなければ、大きな声で話す人間もいない。社員が何かに怯えているようで、重い空気があたりを支配している。

 理由は、はっきりしている。先に挙げたような経営者のせいである。

 会社がどんなに業績を上げても、すべてが自分の力と思い込み、部下を信頼せず、業績に比べて給料も低水準なら、社員が暗くなるのも当然だ。おまけに、出入りする下請け会社の人間や納入業者も、その会社に足を踏み入れたとたん、態度が変わる。

 「こんにちは」「お世話になります」の声も決まって小さくなる。「使ってやっている、仕入れてやっている」という会社側のムードを感じ取ってしまうのかもしれない。社員も取引業者も「委縮ムード」なのだ。

 だが、私はそんな会社に行っても、自分のペースは崩さなかった。相手が社長であろうと、現場の社員であろうと、いつも大きな声で話しかける。中には戸惑いを見せる社員もいた。

 「社長、もっと社内を明るくしないと」

 付き合いの長い社長に遠慮なく直球を投げたこともある。社長はこわばった苦笑いを見せただけだった。たびたびそんな悪態(相手にとっては)をついたものだから、煙たがられたのか、次第に仕事の関係も疎遠になっていった。この社長にとっては、私も下請け業者の1人だったというわけだろう。

 私はこういう経営者を一流とは認めない。会社というものは、社員全員がそれぞれ「持ち場」に応じた働きをすることで成果が生まれるものだ。経営者は成果の「分け前」をきちんと分配し、その働きに感謝する気持ちを忘れてはいけない。それが社員の士気にかかわってくる。外部の協力者に対する場合も同じだ。

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 「分け前」を受け「感謝」を得た社員や協力者は、それを喜ぶ。その喜ぶ姿を見て、また心から喜べる経営者こそ一流なのだと思う。これは経営者ばかりではなく、組織において上に立つ人間にもいえることだ。

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