連載
» 2014年02月18日 10時00分 UPDATE

満員電車にサヨナラする方法:仕事を頼む人、仕事を受ける人を平等にするクラウドソーシング

今後、正規社員のボリュームを企業社会全体で増やしていくことは現実的ではありません。その問題を解決してくれる鍵の1つがクラウドソーシング。インターネットを通じて仕事のマッチングができるようになるのです。

[秋好陽介,Business Media 誠]

集中連載『満員電車にサヨナラする方法』について

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 本連載は、2013年12月21日に発売したランサーズ代表、秋好陽介著『満員電車にサヨナラする方法〜時間と場所にとらわれない新しい働き方〜』(ビジネス社刊)から一部抜粋、編集しています。

 ブロガ―ちきりんさんやグロービス代表の堀義人氏も推薦! 日本初のクラウドソーシングサービス「ランサーズ」の代表、秋好陽介氏が提案する時間と場所にとらわれない新しい働き方とは?

 インターネットが普及している現在、出社しなくてもできる仕事は珍しくありません。もしかしたら「この通勤時間を仕事時間に使えたら、どんなに生産的だろうか」「通勤時間を労働時間に変えれば、家族と過ごせる時間が増えるのに……」「通勤時間を労働時間に変えれば、プライベートをさらに楽しむことができるのに……」と感じたことがある人もいるのではないでしょうか。

 世の中の人々が自分の価値観、好み、感性のおもむくまま自由に生きられる、そんな面白い時代が、すでに始まっています。


 現状ですでに、企業はいままでのような多くの労働力を抱えることができなくなっています。正規雇用者はいま働く人全体の50%をぎりぎり保っている状態で、このままいけばさらに少なくなるでしょう。ちなみに、アメリカにおける成人の正規雇用率(対人口比)は2012年の調査で43%です(ギャラップ社調査)。

 いまでも所得格差が問題になり始めているのに、これからももっとその状態が続くでしょう。働く人にとってはもちろんですが、企業にとっても深刻な問題です。ここ20年ほど、日本が長い不況にあったのは、言うまでもなくデフレスパイラルにその原因があったわけです。今後、景気が回復して働く人たちの給料やボーナスがたとえ増えたとしても、相対的に正社員が少ないのでインパクトがどうしても弱くなってしまいます。

 このうえ、正規社員が減ってしまったら、さらに内需は縮小してしまうでしょう。雇用の流動性を確保するのに、非正規社員で確保しようとするのはそもそも無理があり、いびつな雇用体系がこれ以上社会問題化するのを企業としても望まないはずです。かといって今後、正規社員のボリュームを企業社会全体で増やしていくのも現実的ではありません。

 この矛盾、いびつな構造を解決してくれる鍵が一つあります。クラウドソーシングです。クラウドソーシングとは、米国で2000年ごろに誕生したインターネットサービスの一つで、ごく簡単に言ってしまうと、仕事を頼みたい人や企業と、自分のスキルや労働力を売りたい人をネット上でマッチングすることです。

 ネット上でビジネス上の「売りたし・買いたし」をマッチングするサイトは以前からありました。ところがクラウドソーシングの画期的なところは、人の能力というリソースをネットの中に全部詰め込んで、欲しいときに、欲しい能力を、いつでも簡単にチョイスできるところにあります。しかも、その際にかかる費用を限りなくゼロに近い微小なコストに抑えられるようにしました。

 クラウドとは「群衆」という意味で、アプリケーション開発などの高度な技術を持った人から、ちょっとした特技を売り物にしている人、あるいは単に空いた時間を有効に使いたい人まで、あらゆる背景の人が登録し、まさに群をなしています。

 そこに、「こんな仕事をやってくれる人いないかな」と依頼したときに「私なら、その仕事、いくらで請け負いますよ」という人がいれば、そこで仕事のマッチングが行われます。

 ランサーズではまだすべての業務サービスに対応できていませんが、登録者数は現在22万人(2013年12月6日現在)に達しています。少なくともデザイン、Web制作、プログラミング、ライティングといった分野については、どんな要求であっても、それに応じることのできるパーソナリティーを持った人が相当数存在する状態になっています。それは高度な知識、技術が求められる専門分野から、データの打ち込みなどの単純作業まで、あらゆる分野に及びます。

shk_work00.jpg ランサーズ

 そして、それらの仕事を受けてくれる人たちを探す手間、労力、コストは限りなくゼロに近く、また労働の対価として支払う料金もかなり安く上がります。

 その逆のこともできます。つまり、「私にはこんな技術がある。誰か買ってくれる人いませんか」とクラウドに投げかけたとします。「いくらなら買う」という人が現れると、そこでビジネスのマッチングが行われるのです。企業は人材を必要とするときに、正社員を雇って育てる時間とコストをかけることなく、そのときどきに必要な労働力をクラウドから好きなときに好きなだけ調達することができるようになったのです。

 働く人にとっても、自分の得意な技術を磨いてそのスキルを企業に売り込むことができます。この非常に画期的なところは、雇う人と雇われる人がフェアな関係になることです。おそらく、そんなことは人類の歴史上なかったのではないでしょうか?

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