関東甲信の記録的大雪から学んだことBiz.ID Weekly Top10

関東甲信地方で大雪が降った先週末。約1週間たったいまはどのような状況なのか。山梨県南都留郡の様子を見てきました。

» 2014年02月24日 16時30分 公開
[上口翔子,Business Media 誠]

 確定申告の受付が始まった先週、最も読まれた記事は「青色申告と白色申告はどう違う? 個人事業主の確定申告について」。次点は「青色申告とは? 白色申告とは? 独立を考える人も知っておきたい個人事業主の税金」でした。どちらも確定申告に関する記事ですが、1位の記事が2013年版、2位の記事が2014年の最新版について解説したものです。もしこれから読む人は2位の記事をご覧ください。


 2月14〜15日にかけて、関東甲信地方を中心に大雪が降りました。報道によると、約1週間が経過した今でも孤立状態の方々がいるそうです。一日も早く復旧されることを願います。

2月16日ごろの河口湖の様子

 今回の大雪の際、私は実家のある山梨県富士河口湖町にいました。河口湖は7日にも60センチほどの雪が降り、雪が溶けきらない(除雪が進まない)中で14〜15日にかけて140センチを超える観測史上最大の積雪量を記録。14日夕方から雪かきを始めましたが、一向に降り止まぬ気配で「雪はもういいよ」と嘆いていました。Facebookを見ると地元の友人たちも、同じように「やばい」「これ以上降らないでー」といった投稿をしていて、15日に起きたらどうなっているのだろうと不安な状態でした。

 案の定、起きてみると(前日に雪かきをした跡形がないほど)一面真っ白。雪をまったくかいていない所にいたっては総積雪量が2メートル近くに達していました。車通勤をしている家族は帰宅途中で立ち往生したようで、その後2日間帰れない状況が続きました。あとから聞くと、道のあちこちで乗り捨ての車があり、その影響で除雪が進まなかった場所もあったようです。

15日はどこもこのような一本道をよく見ました
交通機関の復旧は遅かったものの、駅に通じる公道だけは比較的早く除雪が進みました

 昔からの地域住民も含めて、河口湖でこんなに雪が降ったのは初めてだったと、雪を見ながらボーゼンとしている人を何人か見ました(中にはめったにないことだからと雪にダイブしている人もいました)。片側2車線の道路も、人1人が通れればよい状況で、車が来ない歩行者天国状態。後にも先にも、国道をあんな状態で歩く経験はないだろうと思ったほどです。

地元の中学校。しばらくは休校が続きました

 そんな大雪から約1週間たち、町のインフラはどれほど復旧したのか。ボランティアの方々の協力もあり、学校や公共施設の駐車場の雪はだいぶなくなった様子でした。ただ、あまりにも雪の量が多かったため、道はまだ完全に回復していない状態。そもそも雪を置く場所が限られていて、道幅が広げられるほど除雪車は動けていません。車を出す際には十分な注意が必要です。

ショッピングセンターに乗り捨てられた車

 今回の大雪を経験して感じたのは、普段から近所の人とある程度コミュニケーションを取っておくことの大切さと、インターネットを活用した積極的な情報発信の重要性でした。前者については、特にお年寄りがいる家を把握しておくことで、まずそこから率先して雪かきを始められるからです。普段なら来てくれる除雪車が今回は一向に来られず、近所の道は自分たちでどうにかするしかありませんでした。「近所の人との結束力が試されたね」と言っている人もいました。

 後者については、Facebookを見ていて思ったことです。山梨を始めとする多くの地域が大雪で大変な事態になっていることを、交通事情から現地に入ることができないメディアが報じるのが難しい状態にありました。15日夜になりインターネットニュースを中心に少しずつ騒がれるようになり、その後、自衛隊の方々が援助に来てくれることや政府が動いてくれることを知りました。

Facebookで更新された交通情報。私の場合、東京への交通網がなかなか普及せず、18日まで在宅勤務をさせてもらいました。地元住民からの一般道の開通情報はとても助かりました

 大雪が降ってからの数日間も、助けられたのはインターネット上の情報でした。地元民が立ち上げたまとめサイトなどのページで、道の開通情報や鉄道・高速バスの運行状況が随時更新されたので、非常に助かりましたし、私も自分が見た/聞いた確かな情報は共有していかなければ、と感じました。

雪に強いといわれる富士急行線も今回ばかりは復旧に大幅な時間が掛かりました

 まだまだ雪がたくさん残っていますが、雪崩などによる2次災害が起きないことを祈っています。

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