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» 2014年02月27日 11時00分 UPDATE

ベストチーム・オブ・ザ・イヤー:「リーダーがやるべきことは断言」――宣伝会議 編集長のチームリード力 (1/2)

若くしてチームリーダーになった宣伝会議の谷口優氏。「メンバー1人1人が考え成長する機会を与える」のがリーダーの役割だと意識してからチームに表れた変化とは?

[ベストチーム・オブ・ザ・イヤー]

「ベストチーム・オブ・ザ・イヤー」について

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チームで仕事やプロジェクトを進める際の考え方やヒントを探る本記事「最強チームの作り方」は、「ベストチーム・オブ・ザ・イヤー」より転載、編集しています。

ベストチーム・オブ・ザ・イヤーは、その年に最もチームワークを発揮し、顕著な実績を残したチームを毎年表彰するアワードです。サイトでは日本の組織が持つべき「チームワーク」について、精神論ではなく、組織とメンバーがともに成長できる論理的な方法を考え、提案しています。

「私自身が日々悩んでますし、まだまだリーダーの勉強中なんですよね」というのは、株式会社宣伝会議の谷口優さん。20代から編集長を務め、雑誌やWeb、書籍企画を担当しながら、編集部というチームを引っ張るリーダーです。

若手ビジネスパーソンがリーダーになった時、チームで仕事をすることに対して高い壁が立ちはだかります。その時どう考え、壁を乗り越えたのか――。ベストチーム・オブ・ザ・イヤーでは、チームで奮闘するリーダーの横顔を、特集「若手リーダーが壁を超えた時」で追いかけます。


「仕事の細かなプロセスには首を突っ込まない。心配性だけど」

―― 宣伝会議チームの成果を最大化するために、谷口さんが実践していることは?

谷口優氏: チームが前に進む時に大切なのは「ゴールは指し示すけど、プロセスを言い当てない」って姿勢だと思うんです。自分自身が心配性というか、結構細かいタイプなので、ついつい過去の自分の成功体験を基に、細かくプロセスの指示をしてしまいがちなんですけど。最近は、なるべくぐっとこらえるようにしています。

 私達が日々触れている広告の世界って、チームで仕事をすることが前提にあるんですね。コピーライター、アートディレクター、カメラマンといった才能を集めて、取りまとめて、それらを1つの方向性に導くリーダーがいて。

 特に広告制作の場合には、細かいプロセスまで「こうしてほしい」と言及してしまうと、メンバー自身のクリエイティビティや専門性が発揮できなくなり、最終的な表現の質に悪影響を与えてしまうことがあります。

 これを教訓にして、極力、描いたゴールを共有することに努めています。まだ完璧にそれができているわけではないのですが(笑)。

谷口優氏 谷口優氏。雑誌『宣伝会議』の編集長を務め、Webメディア「AdverTimes」や雑誌のデジタル化といった新規事業、書籍企画など、編集部門全体を統括するメディアプロデューサー。「最新の情報は人の頭の中にある」を信念に、編集長になった今も取材活動は欠かさない。「人にあわないと不安なんです」という一面も

―― 20代で編集長に抜てきされたんですよね。若くしてリーダーになった当初から、そのような考えを持っていたのでしょうか?

谷口氏: いえ、そんなことはなくて。編集長という立場になった当時、編集部員の多くは20代で、同年代だったんです。後輩の存在が仕事の脅威に感じたりして(笑)、今もまだまだですけど人を育てるような余裕なんて、まったくなかったです。しかも子どものころから協調性がないというか、団体行動が苦手というか……。そもそも、チームで動くことに適性のある性格ではないことも、自覚していて。

 でもメンバーを育てて、チームを率いるには、「包容力」とか「人間力」が大切。今になってそう実感するんですけど、当時は全然考えられなくて。まずは企画をたくさん作るとか、制作プロセスを効率化するといった「機能としての編集長」の役割を果たすことでいっぱいいっぱいでした。

―― リーダーとしての振る舞い方が変わった瞬間、転機はあったのでしょうか?

谷口氏: ずっと同じチームだった20代の部下が育って、編集長になったんですね。それが心の底から嬉しかったんです。

 ずっと「企画をどう作るか、どうプロセスを効率していくか」という機能視点で仕事をしていた自分が、「単に雑誌を作れば終わり」ではなく、「チームの中で人が育つ瞬間」を見て、本当に素晴らしいことだなって思って。

 理想は、仕事を通じてメンバー個人個人が役割を見出し、成長してくれることなんです。だからこそ、細かい指示は極力せずに、メンバーそれぞれが考えてくれる形に持っていければと考えています。

「断言する。迷いを見せるとチームは止まるから」

谷口優氏 チームの情報共有に対しては、「今の時代、情報って加速度的に鮮度が落ちて価値も落ちていくので、情報を抱え込むことで自分のポジションを作るみたいなことはできないと思うんです。もっとオープンマインドに情報を共有していけばいいと思います」(谷口氏)

―― 現場で働いている時から編集長というリーダーになる中で、谷口さんが意識するようになったことは?

谷口氏: 「断言すること」でしょうか。編集の仕事は特にそうなのかもしれませんが、明確な正解がないものが多いんです。A、B、Cの3つの案がある場合、どの案が正解かって、誰も分からない。でも部下が迷っていたら「B案で行こう!」と断言する。理由を聞かれたら、その時にそれを論理的に答えるようにして、迷いは見せないようにしています。

 編集の仕事は編集部員だけでなくて、その先にいるクリエイターのみなさんと一緒に作っていく仕事なんですね。そこで私の判断が半日遅れると、その先にいる人達の仕事も遅れて、後手に回ってしまう。雑誌は常に締め切りがある仕事ですし、締め切りまでの期日が短くなればなるほど、企画を実現するための選択肢がどんどん減ってしまう。なので、とにかく早く迷わず決めるようにしています。

 この断言するという行為は、あくまで「編集長としての機能」なのかもしれませんが、迷いを見せないことがチームを前に進め、いい仕事につながってくると思います。まだまだ勉強中で、私自身も悩んでいるんですけどね(笑)。

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