連載
» 2014年03月06日 11時00分 UPDATE

「聴き方・話し方」のコツ:コミュニケーションとは、人と人とのやりとり

コミュニケーションとは、人格と人格のふれあいです。別個の存在である私たちが、それぞれの存在の橋渡しをするやりとりがどれほど効果的にできるかが、コミュニケーションのポイントになります。

[水島広子,Business Media 誠]

集中連載『「聴き方・話し方」のコツ』について

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 本連載は、2014年1月25日に発売した水島広子著『対人関係療法のプロが教える 誰と一緒でも疲れない「聴き方・話し方」のコツ』(日本実業出版社刊)から一部抜粋、編集しています。

 「コミュニケーション上手」というと、場を盛り上げて輪の中心になれるような人、と思いがちです。しかし、コミュニケーションとは、本来「目的に応じて相手とやりとりすること」。

 そのため、「盛り上げ上手=コミュニケーション上手」と考えていては、いつまで経っても本当のコミュニケーション力は磨かれません。本書では、どんな質問がよいのか、どういうリアクションがよいのか、というスキルの話ではなく、安心して心を開ける環境をつくる方法などの「コミュニケーション上手」の本質を磨くコツを紹介します。


 最近、書店などに行くと、コミュニケーション関連の本が多く目につきます。それだけ多くの人がコミュニケーションに悩んでいるということなのでしょう。

 私は対人関係療法という精神療法を専門とする精神科医なのですが、コミュニケーションについての取材もよく受けます。その中で、「こういうときに効果的な一言は?」と聞かれたり、話し方や聴き方のハウツーを尋ねられたりすることもよくあります。

 しかし、答える立場の私は困ってしまいます。確かに、私は治療の中でコミュニケーションに注目して改善します。そして、それは結果として病気を治すほどの力となります。また、治療以外にもいろいろな活動をしている私は、病気の有無にかかわらず、コミュニケーションを改善するだけで、人間関係がどれほど豊かになり、自信を持って過ごすことができるようになるかを痛感しています。

 ただ、それは、何らかのマニュアルに基づくハウツーというレベルの話ではないのです。「こういう言い方がよい」と本から学んで言ってみたことが、その場面には合わず、かえって事態をややこしくしてしまう場合もあるでしょう。

 コミュニケーションとは、人格と人格のふれあいです。私たちはそれぞれが別個の存在であり、それぞれの存在の橋渡しをするやりとりが、コミュニケーションです。その橋渡しがどれほど効果的にできるかということが、コミュニケーションのポイントになります。

 また、コミュニケーションに悩む多くの人が「相手からどう思われるか」ということを気にしています。しかし、見落としてならないのは、ここには有望な一面があるということです。それは、「コミュニケーションには常に『相手』がいる」ということです。自分が孤立無援になってしまうことはなく、常に「相手」から助けてもらえる可能性がある、ということも、コミュニケーションの重要なポイントなのです。

 本連載の基となった書籍『対人関係療法のプロが教える 誰と一緒でも疲れない「聴き方・話し方」のコツ』では、そんなコミュニケーションができるようになるための基本姿勢から、難しい状況にそれをどう応用していくかという具体例まで紹介しています。

 「こういうときはどういう言い方がいいんだっけ?」とマニュアルを慌てて思い出すような不安定なものではなく、自分の実力として「もう誰とでもコミュニケーションできる」という安心感を少しでも持っていただけるようになれば幸いです。

 そのような安心感を少し持てれば、「うまく人とふれあえるだろうか」という不安が、「もっといろいろな人とふれあって試してみたい」という期待と楽しみに変わるでしょう。そして、人とふれあえばふれあうほど、コミュニケーションの実力が確かなものとして感じられてくるはずです。

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