通信量に制限がある格安SIMで動画サービスを体験してみることにしたが、動画はデータ通信量を激しく消費する。でも5分くらいならYouTubeを見てもいいのでは? 映画でも1カ月に1本くらいなら……そんな筆者の望みは果たしてかなうのか。
筆者が検証中の格安SIM「U-mobile*d」はLTEが使えるので、大容量の動画でもスムーズに再生できるはずだ。だが、格安SIMを通信料金の節約のために使う場合、動画サービスの閲覧は最大の敵だ。
U-mobile*dは、データ通信料が1Gバイトまでなら月額680円(税別)だが、それを超えると1980円(税別、3Gバイトまで)になる。月額料金を抑えるにはどうすればいいのか。今回は無料の動画アプリ3本を使うことにした。参考までに、今回紹介する動画サービスアプリ単体のデータサイズは以下の通り。なお、データ通信量はXperia Z1 SO-01Fの設定画面で確認している。
本記事で利用する無料動画サービスアプリ | ||
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サービス名 | 説明 | データサイズ |
YouTube | プリインストールされている。再生時間が短い動画が多い | − |
ニコニコ動画 | 今回は生放送と動画再生の2本を試す | 3.34Mバイト |
GyaO! | 無料でさまざまな動画をストリーミングで見られる | 0.58Mバイト |
それでは動画を再生していこう。GyaO!、ニコニコ生放送、ニコニコ動画では動画を1時間再生した。YouTubeは、短時間の動画再生が多いと考えて5分間になっている。ニコニコ動画はバックグラウンドでも再生できるので(生放送は不可)、音声だけの再生なら通信量が減るのではないかと期待して試してみた。
動画再生におけるデータ通信量 | ||
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操作 | 通信量 | 音質 |
YouTubeの動画を5分再生 | 14.5Mバイト | 途切れアリ |
GyaO!の動画を1時間再生 | 159.3Mバイト | 停止アリ |
ニコニコ生放送を1時間視聴 | 187Mバイト | スムーズ |
ニコニコ動画を1時間再生 | 65.2Mバイト | スムーズ |
ニコニコ動画をバックグラウンドで再生 | 64.8Mバイト | スムーズ |
YouTubeは5分で14.5Mバイトほど。月1Gバイトの制限がある中で、たった5分で10Mバイトを超えるのは厳しい印象だが、それでも1カ月に10本見る計算では145Mバイト。これくらいなら許容範囲だろうか。YouTubeにはさらに短時間の動画も多く、Twitterに流れてくる動画やニュースサイトの動画へのリンクをたまに見るくらいなら大丈夫そうだ。
一方、GyaO!で動画を1時間見た場合、データ通信量は約159Mバイトとかなり多くなる。映画1本が2時間とすると約300Mバイトだ。月に1本くらいが限度だろう。GyaO!はテレビ番組の配信もしているが、そうなると1時間番組が2本という感覚だ。
ニコニコ生放送は1時間で187Mバイトと、1Gバイト制限の20%近くを消費する。時間が長い生放送はLTE接続を避け、素直にWi-Fi接続時のみ視聴するという方針がよい。生放送ではなく動画ならどうか。こちらは1時間で約65Mバイトと、生放送に比べて約3分の1となるが、バックグラウンド再生でも通信量はほぼ変わらなかった。再生した動画が静止画を合成したもので、データサイズが小さかったことも理由に挙げられる。
以上の結果から、格安SIMで映画を楽しむのは月1本が限度と言える。1時間程度のテレビドラマなら月2本だ。3時間といった長時間の映画は、Wi-Fi接続時に見るのがよい。なお、YouTubeとGyaO!は動画が途中で途切れたり、止まったりしたが、ほかの動画は問題なかった。もちろん、周辺の電波状況にもよるが、電波がきちんと入るLTEのエリアならばスムーズに再生できそうではある。
今回試した動画サービスは無料のものだけだが、有料の「Hulu」や「U-NEXT」といったサービスもある。通信量の関係上、視聴できる動画は多くはないが、2週間程度の無料キャンペーンで試してみるのもいいだろう。
このように通信量を消費する動画サービスだが、Wi-Fi接続時に視聴したり、動画をダウンロードできるサービスを使い、Wi-Fiであらかじめ動画をスマホに保存しておくのが有効だ。
「ワンセグ」や「フルセグ」を使うのも手だろう。前回の記事で「FMラジオ」は通信量を消費しない、と書いたが「ワンセグ」と「フルセグ」も放送波を使うので、通信量を消費しない。データ放送があっても、通信量に変化はなかった。
また、ワンセグ、フルセグ、レコーダーではテレビを録画できる。手間はかかるが、録画した番組を用意しておけば(レコーダーから転送しておく)、通信なしで動画が楽しめる。格安SIMでは動画を気軽に見るのが難しい。なるべく通信を使わずに楽しめる機能を活用して、通信量を抑えるようにしたい。
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