仕事が楽しくたっていいじゃんボクの不安が「働く力」に変わるとき・最終回(3/3 ページ)

» 2014年03月19日 11時00分 公開
[竹内義晴(特定非営利活動法人しごとのみらい),Business Media 誠]
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仕事に対する価値観を「楽しくない」から「楽しい」に変える

 私たちが仕事をする理由……それは、毎日の生活のためです。「夢の実現のため」とか、「お客様の笑顔を見たいため」などのようなきれいな言葉を使えなくはありませんが、夢やビジョンは心が落ち着き、安心できる衣食住があってこそ描けるのです。

 しかし、仕事の主の目的を「生活のため」にしてしまうがために、仕事に対する価値観も「生活のためにやりたくない仕事を我慢してやらなくてはいけない」「頑張らなくてはいけない」「仕事とは厳しいものだ」「ちょっと無理してでも働かなければならない」のような、「仕事=楽しくない」になっている人も多いようです。

 仕事にはつらいことも、苦しいことも、大変なこともたくさんあります。けれども、たくさんの問題を目の前にして、しかめっ面で頭をかきむしっているよりも、楽しければ頑張れるし、いろんなアイデアも出てきやすい。課題の多い現代に本当に必要なのは、「仕事=楽しい」という、価値観の転換だと思っています。

 だからといって、人の価値観はすぐに変わらないでしょう。それなら、「ひょっとしたら、仕事って楽しくてもいいのかも」「ひょっとしたら、楽しいほうが仕事ははかどるかも」「もし、仕事が楽しかったら毎日が充実するかも」のような、「かも」から始めてもいいです。そして、自分ができる小さな行動をし、その中に「小さな変化」を感じられるようになれば、「上昇気流のスパイラル」が手に入ります。そして、仕事が楽しいと感じられるようになってくれば、毎日の生活も楽しいと感じられるようになってくるでしょう。

 「ねばならない」や「すべき」という言葉であふれている日本。しかし、どんなに優れたことでも、「ねばならない」や「すべき」では疲れてしまいます。大体、「ねばならない」や「すべき」では、内的な行動の動機付けは起こりません。内的な行動の動機付けに必要なのは「楽しさ」です。筆者は、仕事が「楽しい」と感じられるビジネスパーソンを1人でも多く増やしたいのです。それが、さまざまな課題を抱える日本に、今、最も大切なことだと思っています。

 「仕事が楽しい? そんな甘っちょろいことを言うな」という人もいることでしょう。それだけ苦労をしてきたのだと思います。そのご苦労には本当に敬意を表します。

 けれども、あえて言わせてください。「仕事が楽しくたっていいじゃん。そっちのほうが人生楽しいじゃん」。


 長らくご愛読いただきました本連載は今回が最終回となりました。これまでありがとうございました。

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