3月は引き継ぎの季節です。チームの状態と仕事の引き継ぎに焦点を当てた今回の調査では、引き継ぎがスムーズだった人の7割以上はチームの人間関係が「円滑である」、そうでなかった人の6割は「円滑ではない」と答えており、チームの状態が引き継ぎに影響があることが明らかになりました。
チームで仕事やプロジェクトを進める際の考え方やヒントを探る本記事「最強チームの作り方」は、「ベストチーム・オブ・ザ・イヤー」より転載、編集しています。
ベストチーム・オブ・ザ・イヤーは、その年に最もチームワークを発揮し、顕著な実績を残したチームを毎年表彰するアワードです。サイトでは日本の組織が持つべき「チームワーク」について、精神論ではなく、組織とメンバーがともに成長できる論理的な方法を考え、提案しています。
2013年に引き続いて実施した今回の調査では、チームの状態と仕事の引き継ぎに焦点を当てました。その結果、引き継ぎがスムーズだった人の7割以上はチームの人間関係が「円滑である」、そうでなかった人の6割は「円滑ではない」と答えており、所属するチームの状態が仕事の引き継ぎに影響を与えていることが明らかになりました。
その年の「ベストチーム」を表彰し、日本のチームワークの向上と促進を提案するベストチーム・オブ・ザ・イヤー実行委員会(委員長:齋藤孝 明治大学教授、以下:実行委員会)は、若者のチームワークに関する調査の第9弾として、24〜35歳のビジネスパーソン400人に「仕事の引き継ぎ」に関する調査を行いました。
2013年に引き続いて実施した今回の調査では、チームの状態と仕事の引き継ぎに焦点を当てました。その結果、引き継ぎがスムーズだった人の7割以上はチームの人間関係が「円滑である」、スムーズでなかった人の6割は「円滑ではない」と答えており、所属するチームの状態(人間関係や目標設定の有無など)が仕事の引き継ぎに影響を与えていることが明らかになりました。
引き継ぎの期間は「1週間以内」との回答が最も多くなりました【図1】。ただし、引き継ぎをスムーズに行えた人とそうでなかった人の期間には差異が見られ、引き継ぎをスムーズに終えた人は「2週間以内」と答えた人が最も多かったのに対し、スムーズでなかった人の6割は「1週間以内」または「それ以下の期間」の回答となりました。
引き継ぎがスムーズだった人とそうでなかった人にそれぞれ理由を尋ねた質問では、スムーズだった人が「メンバーの支援」や「誰が抜けても支障が無いよう常に情報共有していたため」といった、チームメンバーの協力や普段からの仕組みを回答した人が多くいました。
一方、スムーズでなかった人は「時間が無かった」「離任直前に担当になった」「上司のフォローがなかった」といった回答が上位に上がりました【図2-1、2-2】。
引き継ぎがスムーズだった人の7割以上は「チームの人間関係に満足している」と答えており、そうでなかった人の6割は「チームの人間関係に満足していない」と答えていました【図3】。
なお、特徴として「目標が明確」で「個人の役割分担が明確」なチームほど、引き継ぎに成功している傾向が明確にあらわれました【図4】。
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