誰かと話をするとき、あらかじめ「これからどんなことを話すか」が分かれば、相手は心の準備ができます。より伝わりやすくするために、まず概要を示してから詳細に移るようにします。今回は、話を組み立てる3つのステップを紹介します。
本連載は、金子敦子著、書籍『「で、結局何が言いたいの?」と言われない話し方』(日本実業出版社)から一部抜粋、編集しています。
「そんなつもりじゃないのに……」
「なんで、分かってくれないの!」
「聞いてないよ、って言われても」
一生懸命話しているのに思った通りに伝わらない、話しているうちに伝えるべきことが分からなくなる……。こう感じたことがある人は少なくないのではないでしょうか。
本書では、「打ち合わせ」や「会議」「プレゼン」など、さまざまな場面におけるコミュニケーションのポイントを紹介。仕事で必要な「本当に使えるコミュニケーション能力」を身につけるコツをやさしくまとめました。
・伝わらないほうがあたりまえ
・表現だけでなく、中身も大事
・打ち合わせのゴールは、「誰が」「いつまでに」「何をするのか」
・プレゼンのゴールは、聞き手の成果につながること
・飲み会は「楽しむのが目的の会議」
「誤解なく、確実に自分の言いたいことを伝える力」が身につく1冊です。
自分が経験したことの詳細をいきなりそのまま話す人がいますが、相手の負担を少なくするためには、まず概要を示したうえで詳細に移ります。
あらかじめ「これからどんなことを話すか」が分かれば、相手は心の準備ができます。これは、電話で道案内をするときを例にすると分かりやすいでしょう。
相手が今どこにいるか、交通手段(徒歩/電車/車)は最初に確認します。
「今どちらですか?」
「りんかい線の国際展示場駅改札を出たところです。今から歩いて向かいます」
誤解なく確実に伝えることが求められる場面では「大事なことは最初に、短く」が原則です。道案内だと、次のようになります。
「駅の改札を背にして右側のビルの並びに沿って、徒歩7分程度の場所です」
電話越しで道順を説明する場合は、とにかく覚えやすいことが大切です。目標物を示しながら、できるだけ短くします。ポイントが多いと混乱してしまいます。
「改札を背に右に進んだら、まずパナソニックセンター内の通路があります。通路を抜けてまっすぐ行き、横断歩道を渡って見える3つめのビルがそうです」
この「概要から詳細へ」というルールを踏まえて、上司に報告する場面にあてはめて考えてみましょう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.