上手に上司に「会議を減らしてほしい」と進言する4つの作戦ナレッジワーキング!!

以前、「無駄な会議が多い」と感じている人は45%、「会議時間が長すぎる」と感じている人も44%いるという調査結果について解説したことがあります。今回は思い切って会議の効率化を上司に進言してみようという提案です。

» 2014年04月30日 09時30分 公開
[永田豊志,Business Media 誠]

 実際問題として、現場のプレイヤーでない上司にとっては、会議を開催することこそ仕事をしているという実感がわく人もいるはず。ですから、むやみに「会議を減らしてください」と提案しても、「いや、情報共有は重要なコミュニケーションの機会だから」と返り討ちにされるのがオチです。

 そんな上司も納得できるような、会議をもっと生産性の高いしくみにするためのポイントをいくつか紹介しましょう。

会議にかかるコストを計算してみる

 会議ほどコストのかかるイベントはありません。会議室の占有費(賃料と広さから計算可能)、機材費、資料などの消耗品費、そして一番大きいのが人件費です。

 人件費は、時給の1.5倍程度かかります。例えば、部長以下7人が集まる会議の場合。全員が1カ月160時間働くと仮定して、月給100万円の部長、同60万円の課長、同30万円のメンバー5人の時給合計は1万9375円。2時間の会議のコストは約5万8000円にもなります。

 これだけのコストに見合う生産的な話がされているか、会議の検討テーマとして取り上げてみるのはどうでしょうか?

せめて参加人数を減らしてみる

 会議に大きなコストがかかっていることを意識できれば、時間や参加人数を減らすことの重要性は分かってもらえるはず。とりあえず「少しでも関係ある人は共有のため会議に出たほうがよい」という考えから、「この課題検討に不可欠な人は誰か」という視点にスイッチすべきです。参加人数が半減できればコスト削減効果も絶大です。

せめて時間を短くしてみる

 人の記憶は時間の経過とともに大幅に減衰していきます。1週間前、1カ月前に起きたことを他人と共有するためには、自分自身で記憶を呼び戻し、整理するための余計な時間が必要です。

 ですから、毎週、毎月まとめてやっている長時間の報告会議は、毎朝10分に変えてみるというのも手です。ダラダラした会議にならないように「1人当たりの発言時間を1分に制限する」など、ルールを決めるのも有効です。

せめて内容を変えてみる

 単なる進捗報告であれば、メールを回覧すれば済む話です。会議をやらなければいけないのであれば、業務改善を考える会議、これからの戦略を考える会議、新製品やサービスを考える会議など、重要なテーマに切り替えるのはどうでしょうか?

 筆者の会社でも、毎週開催していた開発部内の定例会議は、各自の進捗をひたすら聞くだけのものでした。現在では、進捗報告は朝の10分で済ませ、定例会議は世の中の技術動向や新サービスのアイデアなどを発表しあう建設的な場にすることを心がけています。こうすることで以前と比べ、参加者の積極性が目に見えて変化しました。

 時間管理に厳しい人とそうでない人との差は、マネジメント層になってくると如実に差が出てくるものです。時間意識の乏しい上司に対しては、反感を買わないように「あくまで会議をより良くしていく」というスタンスで進言するように注意してくださいね。

著者紹介 永田豊志(ながた・とよし)

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 知的生産研究家、新規事業プロデューサー。ショーケース・ティービー取締役COO。

 リクルートで新規事業開発を担当し、グループ会社のメディアファクトリーでは漫画やアニメ関連のコンテンツビジネスを立ち上げる。その後、デジタル業界に興味を持ち、デスクトップパブリッシングやコンピュータグラフィックスの専門誌創刊や、CGキャラクターの版権管理ビジネスなどを構築。2005年より企業のeマーケティング改善事業に特化した新会社、ショーケース・ティービーを共同設立。現在は、取締役最高執行責任者として新しいWebサービスの開発や経営に携わっている。

 近著に『知的生産力が劇的に高まる最強フレームワーク100』『革新的なアイデアがザクザク生まれる発想フレームワーク55』(いずれもソフトバンククリエイティブ刊)、『頭がよくなる「図解思考」の技術』(中経出版刊)がある。

連絡先: nagata@showcase-tv.com

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