かけると疲れや眠気が見える――センサー付きスマホ連動メガネ「JINS MEME」登場次のJINSは「自分を見る」 (1/2 ページ)

さまざまな機能性アイウェアを販売するJINSの最新作は「自分を見るメガネ」。各種センサーを内蔵して疲れや眠気、動きを測るほか、Bluetoothでスマホとも連動するというもので、2015年春に発売予定だ。発表会の様子を詳しくお伝えしよう。

» 2014年05月13日 17時40分 公開
[宮田健,Business Media 誠]
JINS MEME。見た目は普通のメガネと変わらない

 かけている人の疲れや眠気、その日どれくらい運動したかを“見える化”して教えてくれる……そんなメガネが登場する。

 アイウエアショップ「JINS」を率いるジェイアイエヌは2014年5月13日、“自分を見る”をコンセプトにした「JINS MEME」(ジンズミーム)を発表した。かけるだけでまばたきや視線移動、体幹の傾きを検知でき、自分の疲れや眠気をリアルタイムでマネジメントできるセンシング・アイウェアだ。

 日本科学未来館で行われた記者発表会では、ジェイアイエヌ代表取締役社長の田中仁氏が実際にJINS MEMEを装着して登場。オフィス、ドライブ、フィットネス各シーンでのデモンストレーションを行った。

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JINS MEME

JINS MEMEで見えるのは自分の「疲れ」「眠気」「体軸」

 JINS MEMEはメガネの形をしているが、Google Glassなどをはじめとする「ウェアラブルPC」とは異なる。JINS MEMEの特徴は、目の前の世界を見るのに加えて「自分(の状態)を見る」という点だ。

 JINS MEMEには、眼球運動に伴い目の周りに発生する電位差をもとにした「眼電位センシング技術」が搭載されている。鼻パッドと眉間の3点から検出できる眼電位により、8方向の視線移動とまばたきをリアルタイムに検出できる。そのほかにも6軸の加速度センサーとジャイロセンサーを内蔵し、顔だけでなく体の動きも把握することが可能だ。センシングデータは、Bluetoothを通じ、スマートフォンのアプリと連動ができる。

JINS MEMEのセンサー。鼻パッド2カ所と眉間の3点で検出する「三点式眼電位センサー」は特許出願中
JINS MEMEが取得した視線移動や頭の運動の様子。データを解析することでうなずき回数や拍手の回数を把握できる

 JINS MEMEを使うことで、人間のより深いところ、自分でも見えない部分からデータを得ることが可能となる。このデータの応用例として、発表会ではスマートフォン専用アプリを通じた3つの活用例が紹介された。

疲れを測る

 「オフィスシーン」では、JINS MEMEから得た目の動きの情報を基に“疲れ”を可視化。独自に開発した疲労単位「ME」(ミー:Mental Energy)という単位で表す。スマートフォンアプリでは時系列でこのMEの変化を見ることができ、自分の体調をチェックできる。

JINS独自の疲労単位「ME」は-10~+10で疲労度を測る。これは実際に田中氏が装着したときの疲労度で、矢印部分は打ち合わせを行っていたとのこと

眠気を測る

 「ドライブシーン」では、まばたき、強さ、速さで眠気をみるアルゴリズムを設計し、JINS MEMEを付けたドライバーが眠気を感じたとき、スマートフォンを通じて注意をうながす機能を実現する。

自動車の運転時に、目の動きで眠気を測るアルゴリズムを開発。ドライバーが眠くなったときにアラートを発することができ、事故を未然に防げるという

体の動きを把握する

 「フィットネスシーン」でもJINS MEMEは活躍する。これまでの多くのデバイスはリストバンド型のセンシングデバイスを手首に付けていたが、重心や体軸など、体の動きをより正確に把握するには頭部にセンサーを付けることが重要である。JINS MEMEのフレームに内蔵された6軸センサーで体軸、体幹を意識したトレーニングが可能となる。

フィットネスやスポーツにおいては、体のブレを可視化でき、正しい姿勢を意識したトレーニングが行える

 JINS MEMEのデザインはAudi a6をはじめとするプロダクトデザインを手掛けた和田智氏が監修(参照記事)。ウェリントンタイプ、ハーフリムタイプ、サングラスタイプの3種類が用意されている。

左から、ウェリントンタイプ、ハーフリムタイプ、サングラスタイプ

デザインは和田智氏が監修を行っている
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