SOHOや中小企業で使えるオンライン帳票作成サービスを試す(Envoice編)Biz.Hacks(2/2 ページ)

» 2014年06月23日 13時00分 公開
[山口真弘,Business Media 誠]
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Envoice ダウンロードした見積書PDF。テンプレートは色違いを中心に9種類用意されている。社判、担当者印いずれもデータで押せないのがネック
Envoice 一覧画面に戻り、複製してほかの帳票を作成できる
Envoice 相手に送付するためのダウンロードURLとパスワードも発行可能。オンラインのフォームは用意されておらず、手動でコピペして送る形式
Envoice 見積書もしくは請求書のデータを基に累計金額をレポート表示することもできる。他サービスによくある入金管理機能はない

 作成できる帳票は見積書、納品書、請求書に加えて領収書の4種類。新規アカウント作成に必要なのは、組織名、郵便番号、住所、業種、名前、メールアドレス、パスワードと同種サービスの中でも多い。これはアカウント作成の時点で自社情報もまとめて登録する仕組みによるものだが、どのサービスを利用するか否か迷っている段階では、ややハードルが高く感じられることも多そうだ。

 ログインするとダッシュボードが表示され、新規の帳票がそれぞれ作成できる。この時点ではまだ顧客情報が登録されていない。帳票作成のフローの中で入力することもできるが、あらかじめ「顧客管理」画面から作成しておいたほうが作業が容易になる。ただし、社名は登録できても部署名が入力できないなど項目数は少ない。また郵便番号から住所を自動入力できないなど、手入力の手間がややかかる印象だ。

 見積書の作成は、顧客名や件名などの基本情報を入力したのち、納期や有効期限、支払い条件などのオプションを入力し、その後明細を入力するという一般的なフロー。顧客名はプルダウンから選べるほか、品名についてもマスターを登録しておけばプルダウンで選択入力できる。

 また、備考欄に入力するテキストはテンプレート文を設定できるなど、繰り返し入力が容易になるよう工夫されている。ただし消費税の計算にも対応している一方で、源泉税の計算に対応していないのはマイナスだ。

 入力が終わったら下書きとして保存し、PDFをダウンロードしたり、再編集を行ったりできる。あるいは下書きから発行済に変換してステータスの管理も可能だ。また一覧画面に戻ったのち、帳票を複製して見積書、納品書、請求書をそれぞれ作成することもできる。

 帳票はダウンロードしたのちメールに添付して送付する以外に、ダウンロードURLを相手に送る方法も用意されており、こちらでは認証パスワードも合わせて発行される。

 ひととおりの機能がそろってはいるが、必須入力と任意入力の区別が分かりにくいせいで手入力がやや煩雑に感じられるほか、源泉税の計算に対応していなかったり、会社ロゴが登録できなかったりなど、他サービスに比べて対応できていない機能は多い。また、無料プランでは社判を登録できないため、せっかくPDFで帳票を作成しても社判を押すためにあらためて出力しなくてはならず、オンラインで作業が完結しないというハンデがある。

 社判登録や、モバイルからの利用、さらに複数メンバーでの利用は月額500円のプレミアムプランで対応しているとのことだが、本稿執筆時点では新規の受付を行っていない。いつの時点から受付を休止しているのか不明だが、基本的な機能は整っており、かつプレミアムプランの機能こそが他サービスとの差別化ポイントと考えられるだけに、早期の再開を期待したいところだ。

サービス名 提供元 利用料
Envoice システムインテグレート 無料〜

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